山まで走る魅力と、山のなかを走る魅力。
―お客さんや自転車好きの繋がりから、影響を受けたことはありますか?
木村: もともと、長い距離を走るような、過酷な乗り方が好きじゃなかったんですよ。どちらかと言えば、自転車は乗るより組むほうが好きで。でも、お店でグループライドを企画するようになってから、誰かと一緒に自転車に乗るのが楽しくなって、ハードなロングライドも好きになりました。

―例えば、どんなところまでロングライドするんですか?
木村: この前は、神奈川県の秦野までキャンプに行ってきましたよ。片道80kmくらい走ったかな。もともとキャンプをしていたけど、本格的に自転車でキャンプへ行くようになりました。仲間と一緒に、辛くて長い距離を走って達成感を得るのは、いままでの自分にはない楽しみ方です。
―自転車にキャンプギアを載せるバイクパッキングは、クルマで行くキャンプと全然違いますよね。
木村: 持っていけるキャンプギアが全然違うので、別のおもしろさがありますね。バイクパッキングの場合、ギアの制約があるなかで、どれだけ贅沢できるか考えています。「これは必要で、これはいらない。これはなくてもいいけど、あったらいいキャンプになるから持って行こう。じゃあ、どうやって載せよう」ってパッキングを考えるのが楽しい。そして、自分で描いた構想を、キャンプ場でどれだけ実現できるかってところもおもしろいです。

―最近持って行った、マストではないギアはなんですか?
木村: この前は、拡張性のある4m × 4mのタープを張ってみたくて、収納した状態でも大きいのにわざわざ持っていきました。雨と風をしのげるソロテントがあれば十分なんですけどね。晴れていたし風もなかったから必要なかったけど、使ってみたかったので無理してでも持っていきました。
―自転車でキャンプに行く以外に、林道を走っていますよね。
木村: バイクパッキングとは別の遊び方ですけど、クルマに自転車を載せて山まで行って、林道を走っています。先日も富士山の麓まで行ってきましたよ。林道が交錯している場所があって、ぐるぐる走ってきました。

―いいですね。気持ちよさそう。
木村: 走るだけで自然浴になるから、気持ちいいですよ。でも、ぼくが1番好きなのは、坂を登り続けること。吐きそうになるくらい、急な坂を(笑)。
―ストイックな楽しみ方をしているんですね(笑)。
木村: 誰が先に足をつけるか仲間と競って、ヘトヘトになりながら登るのが楽しいんです。足を止めずに、どれくらい漕ぎ続けられるか挑戦するのがおもしろいです。
