初期衝動と膨大なアーカイブを昇華した「Radial Graphics Bio」
『Radial Graphics Bio』
『拡張するグラフィック』を副題とした「ギンザ·グラフィック·ギャラリー」で第400回目となる企画展。1階の展示室では自身のグラフィックにまつわる原体験をテーマにしたアートシリーズである『RGB
Punk』の作品群を中心にラインナップしており、2019年に発表された60台のモニターディスプレイ作品『Signal RGB』も会場空間にあわせて再構成。さら、昨年『EASTEAST_TOKYO 2023』で発表した『RGB
Machine』も再び展示された。
―それで言うと、今年2月に開催された『Radial Graphics Bio』と銘打たれた「ギンザ·グラフィック·ギャラリー」での展示も大きな反響がありました。
「ギンザ·グラフィック·ギャラリー」での展示は、これまで20年近くグラフィックやデザインと言う表現領域で活動してきた中で、自身の原体験について改めて見つめ直す機会があり、僕のクリエイションの初期衝動として存在しているRGB体験を作品に落とし込んだ空間と、活動してきた20年間のグラフィックアーカイブの二部構成で行ったのですが、創設から400回目となる記念すべき企画展でもあり、自分にとっても特別な想いを持って挑めた展示でした。
―グラフィックアートに精通する人にとって、「ギンザ·グラフィック·ギャラリー」は特別な場所でもありますよね。
そうですね。僕は特に70年代から80年代の日本のグラフィックデザインが大好きで、多大な影響を与えてもらって今があります。そういう錚々たる先人たちが展示を行ってきた場所で展覧会を開けるのは本当に光栄なことなんです。ただ印刷物はほとんどありません。僕なりの表現でアーカイブを見せたいと思った時に全て僕の制作の原点がコンピューターだったため、そのままの状態で披露したいと思って全てモニターを通して見せていく展示方法を選びました。