ジャズシューズを彷彿とさせる、地を這うようなシルエットに、フラットなラバーソール。
そこに洗練を加えるのが文字どおり、とろけるようなソフトスエードと、ステッチまで黒く染めたカラーパレットです。
本来ならスポーティなあしらいであるはずのサイドを走るステッチワークやつま先の補強革もほどよいアクセントに。
手に取らずとも分かる革の柔らかさ。
これぞミニマルなデザインであり、〈ザ・ロウ(The Row)〉の新作はメゾンのアイデンティティを色濃く反映しています。
その思想を雄弁に物語るのが、副資材を極力排した、一枚革で構成されたホールカット構造。クラフトマンシップに最大限の敬意を払ってきた〈ザ・ロウ〉の本領発揮といったところでしょう。
包み込むようなソールの形状と相まって、そのスニーカーは履き下ろしからしなやかです。
ラバー製のフラットソール。
デイリーな一足としてはもちろん、スーツやジャケパンの外しとしても◎。ノンシャランな装いを仕上げるならこんな一足です。セルジュ・ゲンスブールが生きていたなら喜んで足を滑り込ませたに違いありません。
Photo_Kazuma Yamano
Text_Kei Takegawa

