〈オールデン(ALDEN)〉の新作が出揃った。さっそく素通りできない3足を紹介しよう。
ひとつはVチップの名で親しまれる「アルガンコン」にはじめて登場した、6インチ丈のブーツ。パターンをいちから起こしたというそれは、日本では珍しい9アイレット、ヘビーステッチ、そしてバリーラストでブーツの持つ重厚感を上積みすることに成功している。バリーラストはパッと見はわからないゆるく絞られたアーチラインと、ほどよくシャープなトウ・ラインをその特徴とする。〈オールデン〉のアイコンともいうべきハンターブラウンカラーのカーフ、通常よりも油分の多いダブルオイルドレザーのソールも見どころ。
もうひとつはペニーローファー。毎シーズン衣替えしている当モデルが新たにまとったのはバーニッシュドタンだ。〈オールデン〉のドレスカーフのなかでもっとも明るく、アンティークのようなムラ感をもつレザーである。ハンドスキンステッチやスキャグウェイと呼ばれるサドルストラップがそこに華を添える。ペニーローファーの代名詞的ラスト、バンラストは踵まわりをコンパクトにまとめたラストで、スリップオン構造ながらフィット感が高い。ほぼ垂直に立ち上がったトウ・ラインもファンならたまらないディテールだ。
トリを飾るのは、6アイレットのプレーントウをまとったモディファイドラストの一足。コードバンや艶やかなカーフが思い浮かぶコンストラクションだが、こちらはレジーナグレインカーフなるレザーを載せている。その名のとおりシボの立ったマットな肌合いが特徴だ。ラバーソールのなかでもっとも薄いドレスラバーソールを履かせたこのモデルは、スラックスの仕上げに履きたくなる品がある。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa