削ぎに削いだデザインワーク、というのは〈ジル サンダー(JIL SANDER)〉への褒め言葉であり、これを端的にあらわすのがレザーグッズである。
ブランドのエンボスロゴを除けば装飾らしい装飾が見当たらない〈ジル サンダー〉のウォレットからは、きめ細かな風合いと透き通るような色合いがくっきりと浮かび上がる。
そんなスマートな佇まいに反し、いずれのウォレットも紙幣、硬貨、カードをたっぷりと飲み込んでくれる。見どころは収納力を確保しつつ、やっぱり整然としているところだろう。その内装はまるでモダンな建築デザインを見ているようだ。
ルーシー&ルーク・メイヤー手がける〈ジル サンダー〉の魅力を知りたいなら、ウォレットはそのエントリーモデルにまたとない。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa