削ぎに削いだデザインワークは〈ジル サンダー(JIL SANDER)〉のアイデンティティだが、ここで紹介するホリデーコレクションはその極みかも知れない。
ステッチとエンボスロゴ、そしてあえてノット(結び目)を入れた手編みのストラップのみで構成されるソリッドなデザインワークは、丁寧な仕事ぶりと素材のポテンシャルがくっきりと浮かび上がる。
文字通り肌理の細かなカーフレザー、あるいはクリスマススペシャルと銘打ったメタリック加工を施したカーフレザー。前者はマチュアな未来がたやすく想像できる風合いがあり、後者はハレの日に相応しい(しかしあくまで控えめな)光沢を放つ。
機能とデザインを両立させることと改めて向き合ったというホリデーコレクションはコンストラクションも特筆に値する。二方開きのウォレットはコインパースをぐるりと囲むように紙幣やカードが収納できる。ユニーク極まりない構造である。
購入者にはスペシャルラッピングが用意されている。バウハウスプリントのシルクスカーフは実にモダン。ラッピングの役割を終えたあともさまざまな使い道がありそうだ。対象者はこのホリデーコレクションを含む5万円以上の買い物を店頭でしたひととなる。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa