19歳の小浪次郎が見て、感じたもの。写真集、Searchlightの発刊を記念して、ソルトアンドペッパーで展示会が始まります。

八丈島で生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動している写真家の小浪次郎さん。写真を始めた最初期に撮影された作品をまとめた写真集『Searchlight』が、「ソルトアンドペッパー（SALT AND PEPPER）」から発売されます。

写真集発売を記念して、「ソルトアンドペッパー」3階のギャラリーで個展も行われるなど、力が入っている今回。作品群が撮影されたのは、19歳とまさに多感な時期です。いまではさまざまな撮影をこなしていますが、とにかくただ前へと進み、いまを掴む、その感性の源を覗くことができます。

ステートメントはこちら。

“サーチライト”
ここではないどこかへ。
あの頃は空の果てが夢の向こうに見えて。
自分には照らすことのできない深さまで潜ってみたかった。
目の前が真っ暗な時。なんだか不安だが、前に進みたい。
後ろに下がるよりも、前を少しでも明るく照らすことが出来るのなら
後ろは見ずに行こうと決めた。
俺は19歳だった。あてもなく、雨に濡れ、ただ歩き、光を発する。
その光が自分を奮い立たせ、そっと何かを追いかけた。
あの時、一つ一つ辿り着いた先に自分は存在した
見えるはずのない景色が眼の前に現れた。
10代最後に見えた光。
小浪次郎

始まりというのはとてもピュアで、いまほど洗練されているとは言えないかもしれない。もちろん、狙って撮ったものもあれば、偶然撮れたというものもあるでしょう。でも、あの時にしか撮れなかったもの、ここでしか感じることのできない何かを見つかけられるはずです。