デザイナー自身が世界各地を旅しながら上質な素材を手に入れ、それを使用して服をつくる。
一般的なメソッドとは異なるアプローチで〈マーカウェア(MARKAWARE)〉は服づくりを行なっています。SDGsが声高に叫ばれる前から “サステナブル” という言葉に着目し、それをファッションというフィールドで実現してきたのは、このブランドのデザイナーである石川俊介さんです。
今回、〈マーカウェア〉が栃木県宇都宮市に拠点を置く就労継続支援A型事業所「TERAS」とのコラボレーションTシャツをリリースします。
「TERAS」は、地域に根差した活動を行いながら、手仕事ならではのものづくりで雇用を創出している社会福祉法人。今回はこのメンバーが丹精を込めてつくりあげる刺し子を〈マーカウェア〉のオリジナルの生地を使用したTシャツにあしらっています。
「TERAS」のメンバーが一針一針丁寧に仕上げた刺し子は、着る人の個性を引き立てるのに加え、日本の伝統文化をも感じることができます。そうした刺し子を民芸品としてではなく、抽象画のようなモダンなデザインに落とし込んでいるところが魅力的です。
〈マーカウェア〉は環境と人権に配慮しながら、常にファッションにおけるサステナビリティを追求しており、この取り組みを通じて、地域の雇用を支援し、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しているそう。
サステナブルという言葉を聞くと、環境やエコのことを思い浮かべがちですが、こうした人権に関わることもその内容に含まれます。このTシャツを着て、おしゃれをしながら、いま一度我々の未来について考えてみるのもよさそうです。
Text_Yuichiro Tsuji