連載「憧れの逸品」No.311 クロノグラフ愛好家も待ち望んだゼニスの永世定番。

〈ゼニス（ZENITH）〉の名を世界に知らしめたエル・プリメロキャリバーを搭載したモデル「A386」の後継がリリースされた。その名は「クロノマスターオリジナル 1969」。

38ミリのラウンド型ベゼルレスケース、ドーム型のクリスタル、ポンプ型のクロノグラフプレッシャー、ファセット加工されたラグ、放射状に広がるブラッシュ仕上げとポリッシュ仕上げが混在したサーフェイス、そして “逆パンダ” の名で親しまれる文字盤…。「クロノマスターオリジナル 1969」からはレガシーへのオマージュが濃密に漂う。

「A386」が時代を超えて愛される一本であることを証明する「クロノマスターオリジナル 1969」にあって、なんといっても見逃せないのはスチールをまとったケースを復刻させたことだろう。そのマスキュリンな佇まいは、〈ゼニス〉のコレクターはもとより、クロノグラフ愛好家が待ち望んでいたものだった。ブレスレットはオープンタイプの “ラダー” デザインから豪華な面取りと装飾が施されたソリッドリンクへ進化、ケース本体との親和性を高めた。

キャリバーは高振動エル・プリメロ3600自動巻クロノグラフムーブメント。半世紀に及ぶ改良の歴史は1/10秒精度のクロノグラフ機能と60時間のパワーリザーブをもたらした。“コンマ秒計測の達人” と謳われた〈ゼニス〉の面目躍如である。