〈バーバリー（BURBERRY）〉のアイコン、トレンチコートのアップデートが注目を集めている。
最大の見どころは糸一本からこだわったサステナブルなものづくりにある。シェルに採用したのはオーガニックコットンの認証を受けた糸。これをキャッスルフォードにある自社工場で丹念に織り上げている。〈バーバリー〉のギャバジンといえば防水性、軽量性、通気性に富んでいることで知られるが、それら性能を担保しつつ、シワになりにくい、という特性も手に入れた。
アーカイブベージュに染めたライニングのコットンツイルもオーガニック由来のもの。その手触りは軽やかでしなやかだ。つややかなコットンツイルは落ち着いた色目と相まってモダン、かつラグジュアリーである。
チェックの生地にはオーガニックコットンを使った光沢感のあるツイル地を使用。
Dリングはやや光沢感のあるものに変わったことで洗練された印象に。
ピックアップしたのはトレンチコートの御三家に数えられる「ケンジントン」だが、仔細に観察すればデザインもブラッシュアップされているのが分かる。セットインスリーブのクラシックフィットというコンストラクションは生かしながら、レインシールドのパターンを背中にぴたりと沿うよう引き直し、バイオレンジ（生分解性潤滑剤）の大ぶりなボタンやより光沢感のあるDリングで脇を固めた。
このさじ加減からは老舗の余裕が感じられて、いい。
ディテールを現代に合う形でアップデートした「ケンジントン」。数あるファッションの名作のなかでも逸品というに相応しい一着だ。¥357,500（予価）
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
