〈オールデン(ALDEN)〉の「チャッカブーツ」といえばいつかは欲しいまさに “憧れの逸品” である。
くるぶしをすっぽり覆うシャフト、リバースウェルト、ダブルソール、サイドからバックステイにかけて走る頑強なステッチ、そしてオーセンティックという形容がこれ以上ないほどしっくりくるバリーラスト。古きよきアメリカンシューズを彷彿とさせる面構えだ。
「チャッカブーツ」が完成したのは1970年代のこと。以来、〈オールデン〉の不動のクリーンナップを務めてきた。
マスターピースらしく、「チャッカブーツ」はそのアッパーをさまざまに載せ替えてきた。本命がコードバンであることは論を俟たないが、コードバンに勝るとも劣らないオーラを放っていたのが今回初お目見えとなるキッドレザーの一件だ。
くったりとしていながら、ハリも感じさせるこのレザーはグローブやパンプスに使われることが多い。
もとより履き心地には定評のあるブランドだが、キッドレザーをまとったこの「チャッカブーツ」は文字通りグローブのように吸いついてくる。
すこぶる良好なフィット感には耐水性と同時に柔軟性も手に入れたオイルドレザーソールも貢献している。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa