チェルシーブーツ、別名、サイドゴアブーツは1960年代に一大ムーブメントとなったモッズスタイルの足下を飾った靴種だ。ロンドンのチェルシー地区が震源地になったことからその名がついた。ビートルズが履いてその人気は決定的になった。ルーツはヴィクトリア女王のためにつくられた一足といわれている。
新たな一足を見繕いたいなら、〈クロケット&ジョーンズ(Crockett & Jones)〉は有力な候補だ。英国の老舗だけに、チェルシーブーツにはたっぷりと愛情を注いできた。
この秋の新作に採用したのは、ラストがボリューミーなラウンドトウを特徴とする378で、ソールはダイナイトスタッズソールだ。艶やかなブラックカーフをまとわせたそのブーツはラギッド・ラグジュアリーとでもいうべき佇まいを具現しており、いまの気分にぴたりとハマる。
ここ数年、スニーカーの延長で履ける革靴としてデッキシューズやローファーが再評価されてきたが、秋冬の本命がチェルシーブーツである。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa