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連載【MONTHLY CCC SESSION】 VOL.12 ロニー・ジョーダン / WAR 「音楽を超えたインスピレーション」

デザインチームを公表しないアノニマスなブランドでありながら、着実にその存在感を高めている〈シティー カントリー シティー(City Country City)〉。そんなブランドの実態を探るべく、設立当初から親交の深いクリエイターたちへのインタビューを行う連載企画。謎のブランドの気になる中身を、あらゆる角度から迫っていきます。

今回はなんと、WARのオリジナルメンバーであるロニー・ジョーダンが登場。この連載で何度も触れてきた通り、〈シティー カントリー シティー〉というブランド名は彼のバンドの曲名が由来なのです。2月7日(金)、8日(土)にBLUE NOTE TOKYOにてライブを控える彼ら。それを記念して〈シティー カントリー シティー〉とコラボも実現。せっかくなら、ということでロニーにインタビューを敢行しました。


誰であれ、どこの出身に関係なく、誰もが同じ問題を抱える可能性がある。

ー「City, Country, City」は、いつ、どのようにして生まれた曲なのでしょうか?曲のテーマみたいなものはありますか?

ロニー:「City, Country, City」は70年代初頭、とある映画のために制作された楽曲です。サマンサ・エッガーとロバート・カルプが出演する作品で、タイトルはたしか『The Grove』だったかな。だけど、残念ながら映画は公開しませんでした。それでも我々はこの曲の演奏をとても気に入っていたので、アルバムに収録することに決めたんです。そうして「City, Country, City」は私たち自身の映画となったのです。

ーなぜ「City Country City」という曲名がつけられたのでしょうか?

ロニー:映画の映像を見て、楽曲のインスピレーションを得ました。映像には庭園のシーンも含まれ、カントリーサイドにいるような気分にさせられたんです。一方でこの映画作品には悪いシーンもありました。それはシティサイドで撮影され、映画に出てくるすべての場所を巡る旅に鑑賞者を連れていこうと思ったんです。

ーこの楽曲が収録されている『THE WORLD IS A GHETTO』のジャケットには、どんな想いが込められていますか?

ロニー:これはメンバーのひとりであるリー・オスカーが、レコード会社のアート部門と一緒に制作したものです。描かれているのはロサンゼルスにあるサンセット大通りの風景で、我々の古いスタジオと、プロダクションであるFar Outのすぐ近くでした。ここにある「Joe Burger」も、実は私たちがよく行っていた場所なんです。

このアートのコンセプトは、「誰であれ、どこの出身に関係なく、誰もが同じ問題を抱える可能性がある」ということを示しています。ロールス・ロイスだってパンクすることがあるでしょう? リーはそうしたヴィジョンを持っていて、それが本当に素晴らしいものとして形になったんです。

ー当時はどんな時代でしたか?また、その頃のカリフォルニアはどんなムードでしたか?

ロニー:当時、私はバンドメンバーと一緒に自分だけのクリエイティブな世界に浸かっていました。レコーディング中は映画スタジオに住んでいたので、そのときの気分は最高でした。音楽スタジオにいるというだけでなく、本当にインスピレーションと創造性を得ることができたから。

ー音楽を演奏することのモチベーションはどんなところにありましたか?

ロニー:演奏をするのが好きなのはもちろんですが、ラジオを聴きながらであらゆる種類の音楽を聴いたり、ローレンス・ウェルクス、ジョニー・オーティス、ナット・キング・コールが出演するTVショーを見たりしながら音楽の魅力に触れ、モチベーションを高めていました。いまの私を支えてくれているのは、ロック&ロールの殿堂入りであるファンの皆さんがいるからでもあります。

ーその後、「City, Country, City」はDJのデヴィッド・マンキューソが伝説のパーティ「The Loft」でプレイするなど、多くのDJたちのプレイリストに加わっています。ご自身の楽曲がさまざまなパーティでダンサーたちを踊らせていることを想像して、どんなことを思いますか?

ロニー:メッセージを理解するだけでなく、我々の音楽を感じてもらえることをとても誇りに思いますね。

ー日本のファッションブランドである〈シティー カントリー シティー〉も、WARの曲名をブランド名の由来にしています。音楽を飛び越え、ファッションの世界でこの名前がつくことについて思うこと、感じることはありますか?

ロニー:本当にうれしいですね。音楽を超えてインスピレーションを与えられたことがなによりの光栄です。

ー彼らはハウスミュージックからも多大な影響を受けています。ハウスミュージックはお好きですか?

ロニー:私はあらゆる音楽、あらゆるジャンルが好きなんです。人々にインスピレーションを与えるものなら何でも。そこにはハウスミュージックも含まれます。

ー〈シティー カントリー シティー〉は過去にWARの『THE WORLD IS A GHETTO』のアートワークを使用したTシャツを製作しています。オファーが来たときにどんなことを思いましたか?

ロニー:とても光栄だし感謝しています。そうしたクリエイションは本当に興奮するし、私たちが制作したものによって誰かがインスピレーションを感じてくれたことにとても感銘を受けています。

やめるつもりはない。この先もずっと続けていきたい。

ー今回のツアーはどんなライブになる予定ですか?

ロニー:さまざまなバリエーションを予定しています。いつもの地元での公演や、アメリカ各地でもライブを行いますが、日本に戻れるのが本当に楽しみです。イギリスやその他の国にも行く予定です。

ー今回、日本の公演用に〈シティー カントリー シティー〉がTシャツを制作しました。ご覧になられていかがですか?

Tシャツ 各¥9,900(ネイビーのみBLUE NOTE TOKYO限定)

ロニー:本当にかっこいい! 品質が良くて、着るのが楽しみです。

ー今回のTシャツに使用されている『Why can’t we be friends?』のアートワークはどのように生まれたのでしょうか?

ロニー:このアルバムタイトルは、当初の予定では『Smile Happy』になる予定でした。そこに当時のマネージャーであるスティーブ・ゴールドが満面の笑みを浮かべた漫画の絵を持ってきて、みんなで笑っていたんです。それはある種のギャグだったんですよ。スティーブは「そこに金歯をつけてくれ」とオーダーし、私たちのプロデューサーであるジェリー・ゴールドステインがタイトルを「『Why can’t we be friends?』に変更しないか?」と提案してくれたんです。

ー日本に来てライブ以外に楽しみにしていることはありますか?

ロニー:食べ物と、素敵な人々です。あとはいろんなところを歩き回って美しい景色を眺めたいですね。

ー今後、WARはどうなっていくのでしょうか?

ロニー:より多くの音楽、より多くのショー、WARの物語を題材にしたブロードウェイの舞台など、考えられることは何でもやろうと思ってます。やめるつもりはないですね。私たちはこの先もずっと続けていきたいので。

Photo by Great The Kabukicho

ロニー・ジョーダン
1970年代に結成したアメリカ西海岸を代表するファンク・バンド、WARの創設メンバー。長年にわたり、ボーカリストとして、またギター、ピアノ、シンセサイザー、パーカッションの演奏者として様々な役割を担ってきた。現在はグループ唯一のオリジナルメンバーでもある。
公式サイト

Text_Yuichiro Tsuji

INFORMATION

CITY COUNTRY CITY

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【WAR】
日時: 2025年2月7日(金)、2月8日(土)
2月7日(金)
[1st] Open 5:00pm / Start 6:00pm
[2nd] Open 7:45pm / Start 8:30pm

2月8日(土)
[1st] Open 3:30pm / Start 4:30pm
[2nd] Open 6:30pm / Start 7:30pm

会場:Blue Note Tokyo
チケット情報:https://lnk.to/BNT_WAR_2025

【メンバー】
ロニー・ジョーダン(ヴォーカル、キーボード)
サル・ロドリゲス(ドラムス)
マルコス・J・レイエス(パーカッション)
レネ・カマチョ(ベース)
ジェームズ・ゾタ・ベイカー(ギター)
スコット・マーティン(サックス)
ミッチ・カシュマー(ハーモニカ)

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