痩せすぎ注意 - 代官山通信（蔡 俊行）

　今日捕まった田代さんってもう20年以上前、担当していたスタイリストが仲良しだったのでちょっとしたリレーションがあった。連行されているニュース写真を見ながらあの頃のことをすこし思い出した。

　確かもうコメディアン的な活動をはじめていた頃。いい人だった。たぶんいまもいい人。薬物中毒と人の良さの間に相関関係はない。

　それにしても痩せすぎ。

　昨日、連載させていただいてる某誌の担当編集者がうちに来た。こちらはちょうどその出版社を辞めた先輩と打ち合わせ中。その先輩、後輩であるぼくの担当を見て鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてた。なぜか。彼が痩せていたからである。

　担当くんは以前どちらかというとデブキャラであった。いまは普通というより痩せキャラである。そら驚くわ。たぶん病気したのという問いかけをしたかったのだろうけど、さすがにそれはヤバイので飲み込んでいた。「全摘ですよ」の冗談で場はなごんだが、果たして冗談だと分かってくれただろうか。ちなみに彼はランニングなどの運動で痩せただけ。

　中年以降の男性の体重減にはふた通りの見方がある。ダイエットか病気である。薬物中毒も病気だがいわゆる内科系疾患という可能性である。だから痩せた人を見てうっかり痩せましたね、なんて言えない。そこは非常に気を使う。

　妙齢の女性にとってはそれが褒め言葉になる場合もあるらしいが、波風立てたくないならそれは禁句である。