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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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簡単韓国レポート

2011.02.28

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 docomoから販売されているスマートホンのギャラクシーが、韓国サムスン製というのは皆さんもご承知のとおり。韓国の人に言わせると日本で初めて大成功した韓国製電子製品ということになるらしい。サムスンの液晶テレビが世界的にトップシェアであっても日本ではまだまだである。

 なので家電量販店なのでギャラクシーがどーんと売られているとちょっと嬉しいのだそうだ。なんとなく分かるよね、この雰囲気。東欧でも南米でも馴染みのない国に行って、日本の製品が使用されているのを見たりすると少し勇気づけられることがある。

 で、そのギャラクシーなのであるが、その名前がファッションブランドから取られていると先日の韓国出張ではじめて知ったのである。

 韓国はサムスン、LGという日本では電気屋さんと思われている企業がファッションビジネスも大きく扱っており、ローカルのブランドに始まりセレクトショップなども運営しているのである。もちろん世界のブランドを国内に紹介し、運営しているのもこれらの大企業群である。ミラノの10コルソコモのソウル店やコム・デ・ギャルソンの直営店などを経営しているのもサムスングループの会社だ。

 そのサムスングループの会社に韓国内で20年間トップシェアを誇る高級スーツブランドがある。日本で言うところの英国屋とユナイテッドアローズを足して割ったような感じか(ちょっと違うかも知れないけど)。40代以上のエグゼクティブ御用達のブランドらしく、ステータスも高い。それが「ギャラクシー」というブランドなのだ。

 製品をみたけど、品質的には確かなもの。たぶん企画グループも世界中をリサーチしているらしく、イメージ戦略もセンスも悪くない。もちろん日本のそれと比べるとそれなりの差はあるが。

 そんなところから始まり、韓国内のファッションビジネスに関する説明をみっちり二日間リサーチしてきた。

 感心したのはやはりサムスングループの会社がやっている「ビーン・ポール」なるブランド。明らかにポロ・ラルフローレンを意識(パクッ!)してやっているのだが、グループ全体でおよそ400億円の売上があるらしい。韓国内人口4000万だから大したものである。向こうの政治家が選挙活動するときに着る服らしい。そんなお国事情も聞けて楽しかった。

 いま日本では少子高齢化による経済低迷のための打開策として中国市場が注目されているが、韓国市場も悪くない。人口は日本の3分の1だけど、ファションへの関心は中国よりも断然高いし、偏差値も高い。

 近い将来日本のセレクトショップも韓国内にオープンするらしい。デパートの売上も日本と違って二桁成長だし、景気もどうやらいいらしい。マーケットサイズは人口数だけではないのだ。

 ローカルのデザイナーやそれを集めているセレクトショップもずいぶん頑張ってる。すでに欧米でコレクションを発表したりしている人たちもいるようだし、日本に続くファッション大国として世界に影響を与える時代が来るかもしれない。

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