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COLUMN

monessay

文:蔡 俊行

フイナム発行人、フイナム・アンプラグド編集長である蔡 俊行による連載企画「モネッセイ(monessay)」。モノを通したエッセイだから「モネッセイ」、ひねりもなんにもないですが、ウンチクでもないのです。今回は〈ランドローバー(Land Rover)〉の車種・ディフェンダーについて。

  • Text_Toshiyuki Sai
  • Photo_Kengo Shimizu
  • Edit_Ryo Komuta, Rei Kawahara

第三十六回消費税反対

よせばいいのに、消費税が10%に上がってしまった。30年以上デフレが続き、さらには景況感も低下してきている時期にこんなことするなんてどう考えても悪手。消費税は高額所得者よりも中流以下の世帯を直撃するので、ますます消費財の売れ行きは下がり、景気の先行きは不透明。金持ちだからって洗濯洗剤を10個も20個も買わないからね。

増税したお金は、どこかの役人がどこかの関連団体に天下りするための布石だとする者もいる。もしかするとそうなのかもしれない。もしそうだとしたらあいつら汚いね。

食料品や生活消費財は、買わないという選択肢はないので、税金が上がろうがどうしようが関係なく購入せざるを得ないのだけど、不要不急のものに関しては財布の紐はどうしても固くなってしまう。れいわ新選組に100%与しているわけではないけど、消費税を来年から1年間5%にしますよ、なんてアナウンスすると、2020年の景気は良くなると思う。そして2021年になる直前にさらに3%に下げます、なんて言おうものなら、さらに消費にターボがかかりそう。その結果、税収増で取れなかった消費税分がちゃら、なんてことになったりして。

なんなら消費税ゼロでもいいんじゃないかな。

そんなことしたら国の財政がおかしくなるなんて、学者先生や経済専門家などが口を揃えるかもだけど、あなたたちがこれまで主張してきたことをやってきてこんなに景気が悪くなり、税収も足らないってんだから、別のやり方やってもいいでしょう。やってみなけりゃ、わかんないじゃん。

MMTだろうが、反緊縮だろうがなんでも結構。この状況に風穴を空けて欲しいと思っているのはぼくだけではないはずだ。

まあそんなラジカルな発言は置いといてだ、消費税があがるということで9月末にはまあいろいろ必要なものの買い物をした。

もっとも大きかったのが、会社で使うクルマである。

これまでは某メーカーからクルマを1年間レンタルしていたのだが、8月末を持って返却せねばならないという絶好(?)のタイミング。

撮影時の荷物やら、あるいは大人数の移動に使わなくてはならないということでハイエース的なものが本当はいいのだけど、あまりにも大きすぎて誰もが運転操作できるものではない。なのでもうふた回りくらい小さいクルマということで、目をつけたのが知人が乗っていたクルマである。

すでに20年前のクルマなのだが、オーナーは彼女でふたりめ。つまり素性のよい個体であるのであった。

欲しいという意思を伝えたところ、水心に魚心とでも言おうか、あれよあれという間に交渉は進み、納車の運びに。

しかし。素性のよい個体ではあるのだが、乗る機会があまりなく屋外駐車場に放置プレー状態だったので、外装のやられ具合がなかなかのものであった。フロントのウィンドシールドからは水漏れもしてダッシュボードの内側を濡らす状態。

引くには引けずこのまま譲り受けた。

専門店に持ち込んで修理はしたのだが、冬の寒い雨の日にずぶ濡れになった老人のようにあちこちにガタがきていた。

全部、ひっくるめてキレイにしますか、なんて言われたが、この外装のヨレ感はなかなか捨てがたい魅力があるので、塗装がはげたまま、サビが浮いたままコーティングやっちゃってくださいとお願いした。

いわゆる脱いだらすごいというコンディションにしてもらったのだ。

エンジン、ギア、足回り絶好調。なんならギアを入れてブレーキ踏んでもクルマが前へ進もうとするので本気でブレーキ踏んでないとクリープで前へ動く。ものすごいパワー。と思っていたら、そういう種類のクルマらしい。

これ高速渋滞したら結構手こずるよ。どうすんだ、これ。

消費増税のおかげてちょっと焦っちまったか。

イギリスのランドローバー社が1948年より製造している四輪駆動車。1990年から「ディフェンダー」という名称になった。軍用車や警察車両として活躍する男心をくすぐるタフなモデルである。9月10日より開催されていた「フランクフルト国際モーターショー」では、最新技術が搭載された超最新鋭の「ディフェンダー」が発表された。写真は1/43スケールのミニカー。

PROFILE

蔡 俊行
フイナム発行人/フイナム・アンプラグド編集長

マガジンハウス・ポパイのフリー編集者を経て、スタイリストらのマネージメントを行う傍ら、編集/制作を行うプロダクション会社を立ち上げる。2006年、株式会社ライノに社名変更。

INFORMATION

協力:RANGERS 目黒店

電話:03-5768-5766

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