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COLUMN

How to see -モノの見方-

文:郷古隆洋

普段どうやって買い物をしていますか。ネットで情報を集め、比較しながら吟味を重ね、モノを買うのが当たり前になっていませんか。例えば蚤の市で見つけたライトやオブジェのような、世界にひとつの存在感で暮らしに彩りを与えてくれるようなモノ。衝動買いがいいとは言いませんが、もう少し自分の感性や気持ちに忠実にものを買うのもいいかもしれません。ここでは、世界各国から集められたインテリア雑貨をはじめ、ヴィンテージアイテム、工芸品、郷土玩具など、ジャンルや年代、地域を限定せず、独自の感性で蒐集している郷古さんに、モノの見方や楽しみ方を教えてもらいます。

Vol.3 ネルソンの書籍のこと。

コラムのタイトルに使っている「How to See」とは、つまり「物の見方」ということです。実は1977年にアメリカで出版された同タイトルの書籍からつけたものなのです。

その書籍とはジャーナリストであり編集者、建築家、デザイナーと様々な顔を持っていた、ミッドセンチュリーを代表するデザイナーであるジョージ・ネルソンの著書『How to See / A Guide to Reading Our Manmade Environment』のこと。

その本の内容はというと、彼のデザインや物に対しての捉え方や思想が論理的に解説され、街に溢れているような何気ない形やデザインも意図があったり意味があることで構成されているということを、ネルソンの視点から解説したものです。

分かりやすく言うと「自分たちの身のまわりをしっかりと見ていますか?」という問いかけでもあります。

それは現代のインスタグラムなどのスクエアの構図を考えることへも、なんだか通ずるように思うのです。

皆さんは身の回りにある何気無いもの、見過ごしていませんか? こんな目線や考えで見えるものを切り取っていくと、また違う世界が広がるかもしれませんね。

本としてもとても良い資料でもあります。写真のものは初版ですが、近年再販もされていたようです。探してみてはいかがでしょうか。

PROFILE

郷古隆洋
Swimsuit Department 代表

ユナイテッドアローズ、ランドスケーププロダクツを経て2010年に Swimsuit Department を設立。輸入代理店をはじめ、世界各国で買い付けたヴィンテージ雑貨などを販売する BATHHOUSE も運営のほか、店舗のインテリアコーディネートやディスプレーなども手がけています。2015年9月には、日本で初の開催となるモダニズムショーを主宰。
http://swimsuit-department.com

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