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COLUMN

How to see -モノの見方-

文:郷古隆洋

普段どうやって買い物をしていますか。ネットで情報を集め、比較しながら吟味を重ね、モノを買うのが当たり前になっていませんか。例えば蚤の市で見つけたライトやオブジェのような、世界にひとつの存在感で暮らしに彩りを与えてくれるようなモノ。衝動買いがいいとは言いませんが、もう少し自分の感性や気持ちに忠実にものを買うのもいいかもしれません。ここでは、世界各国から集められたインテリア雑貨をはじめ、ヴィンテージアイテム、工芸品、郷土玩具など、ジャンルや年代、地域を限定せず、独自の感性で蒐集している郷古さんに、モノの見方や楽しみ方を教えてもらいます。

Vol.18 民族資料館のススメ。

仕事柄、地方への出張が多く、その出先で調べてしまうのが民俗資料館などのその土地を知ることのできる、大きな博物館ではなく小さな資料館なのです。

もちろん古道具やら古民芸も好きなので、そこで知って見たモノを探すこともあったり、仕事へのインスピレーションを受けたりと、僕の中では仕事の指針を構成する場になったりすることも。先にモノを持ち、こういった場所でそれがどういうモノだったのか知ったり、またその逆のことも多々あるのです。

最近行って良かったのは、高松の瀬戸内海歴史民俗資料館と三重は伊勢の神宮徴古館です。

神宮徴古館は写真NGのため外観のみとなりますが、瀬戸内海歴史民俗資料館は土地柄、海にまつわる内容が多く、漁の道具や神具の展示、またそのとき開催されていた企画展「漁民のドンザ(漁民が着ていた仕事着や夜着)」が素晴らしかったです。そして展望台から眺める瀬戸内海の景色も格別なのです。

また徴古館では、伊勢神宮にまつわる行事や普段目にすることのないそれらの道具が展示されており、伊勢神宮をさらに深く知れる場所でした。そして建物横にある神宮農業館も忘れずに。

大きな博物館もいいのですが、こういったその土地土地の民俗や習わしを知っていくことも大切な行為だと思います。

神宮徴古館の外観

建物中も美しい設計に。

神宮農業館。

瀬戸内海歴史民俗資料館の内部の展示。

瀬戸内海歴史民俗資料館の内部の展示。

漁師が信仰した恵比寿神。

展望台からの眺め。

PROFILE

郷古隆洋
Swimsuit Department 代表

ユナイテッドアローズ、ランドスケーププロダクツを経て2010年に Swimsuit Department を設立。輸入代理店をはじめ、世界各国で買い付けたヴィンテージ雑貨などを販売する BATHHOUSE も運営のほか、店舗のインテリアコーディネートやディスプレーなども手がけています。2015年9月には、日本で初の開催となるモダニズムショーを主宰。
http://swimsuit-department.com

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