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COLUMN

monessay

文:蔡 俊行

フイナム発行人、フイナム・アンプラグド編集長である蔡 俊行による連載企画「モネッセイ(monessay)」。モノを通したエッセイだから「モネッセイ」、ひねりもなんにもないですが、ウンチクでもないのです。今回は〈エフシーイー〉 × 〈ナンガ〉の ダウンについて。

  • Text_Toshiyuki Sai
  • Photo_Kengo Shimizu
  • Edit_Ryo Komuta, Rei Kawahara

第四十一回ダウン

電車男である。といっても少し前に話題になった物語ではなく、電車を使う男という意味だ。都内に住んでいて用事もほとんど都内であれば、クルマよりも公共交通機関の方が使い勝手がいい。空き駐車場を探す手間も、通りすがりのお店を発作的に覗いてみようというときも、クルマだとストレスである。食事のときもビール飲めない。

最近はバスもよく使う。実は昨夜もタクシー待ちをしていてクルマがあまりにも来ないもんだから、先に来たバスに乗った。夜のバスは意外に早い。最近、タクシーが拾いづらくなっているので(自分比)、余計バスに乗る。

バスはいい。スマホを見なくてもぼんやり外を眺めているだけで時間が潰せる。というかいい思考整理の時間になる。流れる景色に歩く人、そして無運転。これ以上思索を深められる手段はない、とまで言ってしまいたい。

話がそれた。公共交通機関の話だった。

この公共交通機関を使う人と、日常的にクルマに乗る人では冬場の服装が違ってくる。クルマの人は丈の長いコートよりもブルゾン的な短めのアウターを着たがる傾向になり、公共男は丈を気にせず好きな格好を楽しめる。公共男、わかりますね?

しかし公共男の弱点はなにかというとダウンジャケットである。これを電車やバスの中で着ていると暑くてかなわん。冬場にバッグなどの手荷物を抱え、ダウンを着て満員電車に乗ることを想像するだけでめまいがしそうだ。

暖冬傾向の続く日本だが、やはり冬の外は寒い。たかだか10分くらい外を歩くだけでもダウンジャケットが恋しくなる。それでよくミスる。そういう日に限って、電車移動の打ち合わせが続いてうんざりすることもある。

学習能力が劣っているのか、それでもほぼ毎シーズン、ダウンを買ってしまうんだな、これが。

昨シーズンは自社ブランドの〈ホワイトマウンテニアリング〉のものをほぼ毎日着ていた。そのせいか飽きてしまった。

ボトムやシャツなどは数シーズン持つのだけど、アウターは飽きる。クロゼットのなかはパンパンなのに、着るものがないという悶々とする出かける前、という問題がいつもある。

というわけで今シーズンも何か。

いや別にダウンでなくてもいいんですが。

¥69,000+TAX

〈エフシーイー〉が開発したオリジナル素材「FLIGHT(エフライト)」と、〈ナンガ〉が誇る高い保温力を持つダウンが掛け合わさった2019年秋冬シーズンの別注作。

PROFILE

蔡 俊行
フイナム発行人/フイナム・アンプラグド編集長

マガジンハウス・ポパイのフリー編集者を経て、スタイリストらのマネージメントを行う傍ら、編集/制作を行うプロダクション会社を立ち上げる。2006年、株式会社ライノに社名変更。

INFORMATION

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