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COLUMN

monessay

文:蔡 俊行

フイナム発行人、フイナム・アンプラグド編集長である蔡 俊行による連載企画「モネッセイ(monessay)」。モノを通したエッセイだから「モネッセイ」、ひねりもなんにもないですが、ウンチクでもないのです。今回は〈チャンピオン〉のリバースウィーブ®について。

  • Text_Toshiyuki Sai
  • Photo_Kengo Shimizu
  • Edit_Ryo Komuta, Rei Kawahara

第四十八回育服

いまさらここで書くのもなんだが、この冬は暖かかった。それに加えて東京地方の1月は珍しく雨が多く、気候サイクルの変化をあらためて思い知らされた。

その高気温のせいで今年は雪山にあまり行けなかった。行けたのはトマムに1度だけ。やはり例年より積雪は少ないらしく、スキー場の関係者も雪不足に困っていた。このような天候に左右される仕事をしている人たちは、気候変動リスクという敵とこの先もしばらく戦わなくてはならない。

来年の冬はぐっと冷え込んでくれるといいなあ。冷えるのが景気だと困るが、気温だとスキー場関係者全員が喜ぶ。ちなみに今年のような気候が数年続いて、いま渦中のコロナがさらに猛威を振るったら、ニセコなどのバブルは吹っ飛んでしまうだろうね。

3月に入り、雪がちらついた日もあったかと思ったら、この原稿を書いている今日3月22日の東京地方の気温は今年最高を記録した。天気予報では22度とあったが、実気温はもっと高いんじゃないかな。汗ばむ陽気である。Tシャツ半パンの人も見かけた。季節を先取りしすぎだろう。

よそより遅いうちの桜(会社の敷地にどんと立ってる)も開花し、いまでは五分咲きくらいまできた。今年はコロナの影響で花見どころではないけど、社内スタッフだけでピザでも頼んで小さく楽しむとする予定だ。

いつもなら三寒四温といって、暖かい日と寒い日が繰り返すのだが週間予報を見る限り、しばらく暖かい日が続くという。もう冬には戻らなさそうだ。

季節の変わり目にいつも困るのが着るものだ。朝晩と昼の気温差が激しい日は特に気を遣う。このコロナ騒ぎの影響で、普通の風邪を引くのもリスクであることを考えれば(病院行くのが危険)我が身を守るのは着るものの調整である。

冷えは万病の元というから、暑すぎない程度のものを用意しなくてはならない。

この季節ちょうどいい素材が裏毛のスエット製品。脱着を考えると前開きのパーカがいちばん使い勝手がよさそうであるが、個人的にパーカよりも普通のスエットが好きなので毎年このシーズンはタンスの奥から引き出してくる。

一時、〈J・クルー〉にハマっていたことがあって、その頃買ったスエットがもうボロボロになってしまった。新しいものを用意しないといけないと思っていろいろ調べたんだけど、特にこれといったものがない。まあそういうときの〈チャンピオン〉。

〈ニューバランス〉の「1300」と一緒で、何度このリバースウィーブの原稿を雑誌に書いただろう。もう書きすぎて絞っても絞ってもなにも出てこない。

もう皆さんも、背景やら良さやら価値やらご存知でしょう。新品買ってガンガン着て、何年か経って少しくたびれたくらいになったこのスエットの魅力について語りたい人も多いと思う。ジーンズと同じで育てる服。

育服、なんて言葉はないけど、いま思いついたのでこれからこの言葉使いましょう。なんか体育服の書き間違えに見えるな。

¥16,000+TAX

リバースウィーブ®は1934年にアスリートやスポーツに勤しむ学生のためのウェアとして誕生して以来、世代を超えて愛され続けている〈チャンピオン〉不朽の名作。縦縮みを軽減するために横向きに使用された生地と、動きやすさを担保し横縮みを防止するエクスパンションガゼットが特徴。

PROFILE

蔡 俊行
フイナム発行人/フイナム・アンプラグド編集長

マガジンハウス・ポパイのフリー編集者を経て、スタイリストらのマネージメントを行う傍ら、編集/制作を行うプロダクション会社を立ち上げる。2006年、株式会社ライノに社名変更。

INFORMATION

ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター

電話:0120-456-042

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