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COLUMN

monessay

文:蔡 俊行

フイナム発行人、フイナム・アンプラグド編集長である蔡 俊行による連載企画「モネッセイ(monessay)」。モノを通したエッセイだから「モネッセイ」、ひねりもなんにもないですが、ウンチクでもないのです。今回は〈リモワ〉のトランク。

第五十回闇は暗いほど光は強い

いま何がしたいかというと、気の合う友人たちとどこか飲食店に集まって、ごはんを一緒に食べたい。こんな贅沢ともいえない楽しみを足元から見事にすくってくれたのがこの度の新型肺炎だ。この自粛は、普段あまり気にしないでやっていたことなどが、いかに大切なことかということを改めて教えてくれる。

親しい者たちとのおしゃべり、日常の買い物、そして移動に仕事。これらすべてが制限されているものだから、病気の恐ろしさに加え、ストレスがたまる。家庭内で長時間家族が過ごさなくてはならない状況から家庭内暴力事件が世界中で蔓延しはじめたという。これに先行きの見えない経済状況も加わり、聖者でも道を誤りそうである。

そんななか、世界中で奮闘している医療関係者のみなさんには感謝しかない。ヒポクラテスの誓いをしたとはいえ過酷な状況で病気と戦ってくれる人々に、夜の8時とは言わず、四六時中拍手を送りたい。

しかしこの状況もいつかは鎮静化する(というかしてほしい)。

本来この時期は旅行に出る予定だった。昨年暮れから予定していて楽しみにしていたが、3月上旬の時点ですべてキャンセルした。

この先、このウィルスの勢いがどこまで続くかわからないので、旅行はおろか出張の予定も入れられない。ヨーロッパ各国でのショーや展示会が中止になったので、ファッション関係者の渡航もすべてキャンセル。航空会社は大丈夫かと、いらぬ心配をしている今日この頃だ。

我々媒体制作側も取材に行けない。取材というのは移動したり人に会うのが仕事だから。次のアンプラグドは「旅行」にフォーカスした特集をやろうとなんとなく考えていたけど、この状況じゃ無理だろう。

いつになったらみんなが旅行に行けるのだろうか。

聞いたところでは、googleとユネスコが世界遺産を案内してくれるサービスが始まったというから、google earthかgoogle streetであちこち行くのも楽しいかもしれない。

とはいえ、いくら時差ぼけがなくてもコロナにかからなくても、バーチャルツアーにはそれなりに限界がある。五感を使って楽しまなくては本当の体験ではないし、旅行でもない。とりあえずいまはそんなツアーでなんとなくお茶を濁して深くしゃがみ、ジャンプするタイミングを計ろうじゃないか。

そして家にしばらくこもってお小遣いもあまり使わなかったから、次の旅行はリッチにいこう。

こんなトランク、新調したりしてさ。

ESSENTIAL Trunk ¥110,000+TAX

ハイテク素材が生む最高の機能を提供するために、ドイツで設計を重ねた世界初のポリカーボネート製スーツケース。丈夫で耐久性に優れており、通常のスーツケースと比べて奥行きのある大型スーツケースなので、2週間程度の旅行、あるいは厚みのある荷物を収納するのに最適な大きさ。

PROFILE

蔡 俊行
フイナム発行人/フイナム・アンプラグド編集長

フリー編集者を経て、スタイリストらのマネージメントを行う傍ら、編集/制作を行うプロダクション会社を立ち上げる。2006年、株式会社ライノに社名変更。

INFORMATION

リモワ クライアントサービス

電話:072-994-5522

www.rimowa.com

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