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COLUMN

monessay

文:蔡 俊行

フイナム発行人、フイナム・アンプラグド編集長である蔡 俊行による連載企画「モネッセイ(monessay)」。モノを通したエッセイだから「モネッセイ」、ひねりもなんにもないですが、ウンチクでもないのです。今回は〈ジョーンズ〉のツアーバッグ。

第五十二回自粛警察

新型コロナウィルスのおかげで、この絶好のお出かけ、レジャーシーズンがおじゃんになっている。それでもサーフィンだバーベキューだと出かけている人も少なくないようで、そこは自粛警察官との戦いでもある。いまのところ、そういう場での自粛警察対パンクの刃傷沙汰は起きてない。もしかすると時間の問題か。

それでも39県では緊急事態宣言が解除された。残念ながら首都圏は持ち越しとなったが、こちらも時間の問題であろう。少し乱暴だけど、新型コロナ、インフルに較べ殺傷力は弱い。問題は医療崩壊である。医療施設さえどうにかなれば、脅威的小感染数の日本である、通常の生活に戻れる(といいな)。

本来であればこの薫風香る季節、某セレクトショップのある部門の人たちと、新しいゴルフの楽しみ方のような企画を始めているころだ。が、これもおじゃんになった。

ゴルフと言うとどうにもおっさんくさいイメージだし、バブルな匂いもする。丸一日とそれなりのコストをかけて遊ぶ、かなりヘビーウェイトなレジャーだ。道具もいっぱい必要でなにがどうなのか分かりづらいし、しかも揃えるとなると高い。クルマも要るし、しかもおおよそのウェアもダサい。さらに難しい上、ドレスコードやらマナーがどうのでとくれば、若い人を惹き付けられる魅力はほとんどない。なもんだから年々プレーヤーが減ってきていて、いま業界は大変である。

しかしやっている人たちからするとこんなに楽しいスポーツはないというのである。つまり食わず嫌いなだけで、きっかけがあれば若い人たちもゴルフ場にやってくるはずだ。

では何が若い人にアピールするのかというのがこの度のお題で、それを実験的にやってみようということだったのだ。

ぼくは20代の半ばごろからずっと付かず離れずな距離で付き合い程度にプレーしてきた、いんちきゴルファー。そうとはいえ面白さは知っている。しかし同時に面白くないところも知っているのだ。

なんといっても意味不明なのはドレスコードである。多くのゴルフ場ではジャケット着用が義務なのだが、本来のきちんとした身なりという意味でのジャケット縛りが、もうなにをかいわんやの状態なのである。明らかにサイズ感のおかしいだらしない人や、どこをどうしたらそんな色使いができるんだろうという人もいる。逆にきちんとしたシャツパンツでもジャケットがないと怒られる。超名門の倶楽部であればそれも理解できるが、半分公営のようなコースでもそうだからたまったもんじゃない。いまだにポロシャツはインだし、半パン時はハイソックスというレギュレーションのコースもある。本来のコードを忘れ形骸化したスタイルだけが残った本末転倒な状態なのだ。少なくとも着るものに関してはそれなりの基礎知識のあるこちらからすると、それがものすごく残念なのである。

あと、日本だけがやっているハーフ終了後の強制ランチやキャディさんへの心付けとかそういう古い慣習を一掃したほうがいい。

マナーはプレイファースト、そして使ったら使う前よりも綺麗な状態に戻す(バンカー、トイレなど)を徹底すればそれでいいんじゃないかと個人的に思う。縁あってアメリカあたりで何度かプレーする機会があったが、向こうで気にするのはそれくらい。

とにかく時間がかかりすぎるというのが問題だ。下手な人はダッシュ、コース上で教えない教えられない、ホールアウトしたら速やかに次に移る、そして2時間以内でハーフ終える。そうするとランチなしで4時間でプレー終了だ。

近いところであれば、戻ってからでも仕事できるし、早退してからでもコースに行ける。

なんならキャディの代わりにプレーファースト自粛警察を雇えばいい。

ゴルフのいいところは、対戦型の他のボール競技のように相手のいないところに打つとか入れるではなく、同じ目標にむけてやるところ。相手の逆をとるとかフェイントかけるとかはない。だから実力差がある者同士でも一緒に楽しめる。上級者と初心者のテニスを想像してみるといい。

波の取り合いもないし、平和で健康なスポーツ。そして奥が深い。

人気が出て、またゴルフ場混むのはそれはそれでイヤなんだが、このまま衰退されるのも困る。何事もほどほどにお願いしたい。

JONES RIDER Olive x Black ¥68,000+TAX

ジョーンズ社のツアーバッグ、ライダーのオリーブナイロンxブラックPVCレザー。メインの素材がナイロンなので、見た目以上に軽量で使いやすい。ポケットの数が少ないのは、背中部分のポケットの容量が大きく必要な物は全て収納可能。

PROFILE

蔡 俊行
フイナム発行人/フイナム・アンプラグド編集長

フリー編集者を経て、スタイリストらのマネージメントを行う傍ら、編集/制作を行うプロダクション会社を立ち上げる。2006年、株式会社ライノに社名変更。

INFORMATION

ニーディープ

電話:03-5422-6421
www.kneedeep.jp

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