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COLUMN

How to see -モノの見方-

文:郷古隆洋

普段どうやって買い物をしていますか。ネットで情報を集め、比較しながら吟味を重ね、モノを買うのが当たり前になっていませんか。例えば蚤の市で見つけたライトやオブジェのような、世界にひとつの存在感で暮らしに彩りを与えてくれるようなモノ。衝動買いがいいとは言いませんが、もう少し自分の感性や気持ちに忠実にものを買うのもいいかもしれません。ここでは、世界各国から集められたインテリア雑貨をはじめ、ヴィンテージアイテム、工芸品、郷土玩具など、ジャンルや年代、地域を限定せず、独自の感性で蒐集している郷古さんに、モノの見方や楽しみ方を教えてもらいます。

Vol.15 だるまのこと。

年末年始になると縁起物や護符などが頭に浮かびます。それらを新調して新年を迎えるにあたって気分も一新し、新たな年を迎えるのに欠かせないものでもあります。それもまた日本らしい風習や縁起物という文化を感じ、後世にも残していきたい習わしの一つです。

今回は僕が一番好きなだるまについて。最もポピュラーな高崎のものとはちょっと違う、形と絵付けのこのだるまは岡山の玉島だるまです。意外にも岡山は日本有数のだるまの産地でもあるのです。力強い太い眉毛と角ばった形が特徴的で、目玉も大きく濃い顔をしただるまです。特に倉敷の小野一二商店のものが素晴らしく、いくつか集めたりしています。残念ながら廃業してしまいましたが、こんな目の入っていないだるまを見つけたら、入手するのをお勧めします。

良いことがあったら遠慮せずに目玉を入れましょう。

高さ45センチある特大のだるま。

その平面的な横顔。

これは昭和19年のもの。

その横顔。

箱のラベル。

PROFILE

郷古隆洋
Swimsuit Department 代表

ユナイテッドアローズ、ランドスケーププロダクツを経て2010年に Swimsuit Department を設立。輸入代理店をはじめ、世界各国で買い付けたヴィンテージ雑貨などを販売する BATHHOUSE も運営のほか、店舗のインテリアコーディネートやディスプレーなども手がけています。2015年9月には、日本で初の開催となるモダニズムショーを主宰。
http://swimsuit-department.com

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