COLUMN

Translated By DeepL

monessay

Written by Toshiyuki Sai

フイナム発行人、フイナム・アンプラグド編集長である蔡 俊行による連載企画「モネッセイ(monessay)」。モノを通したエッセイだから「モネッセイ」、ひねりもなんにもないですが、ウンチクでもないのです。今回は〈アシックス〉のランニングシューズについて。

  • Text_Toshiyuki Sai
  • Photo_Kengo Shimizu
  • Edit_Ryo Komuta, Rei Kawahara

第四十七回Set a thief to catch a thief

コロナウイルスについて書きたいのだけど、猛威を振るっているっていうクリシェを使うほどそうとは実感しないんだよな。原稿書いている今日の時点(3月6日)での感染者数は345人。死者6人。本当にこの数字なら恐るるに足らずである。

しかしこれが氷山の一角ということであれば話は違う。誰もが薄々気づいているように、感染者数を低く見せたい誰かが恣意的に操作、というか検診の邪魔をしていれば潜在数はそれこそ猛威だ。北海道の感染者数に比べ、人口の多い東京でこの数というのは素直に信じられない。

さらに検査しても感染しているかどうか、判断を間違えることもあるというのだから厄介だ。

すでに感染しているのに免疫力が高いために発症しないで知らず知らずに日常生活をしている人がいて、そこから感染している人もいそうである。そういう人から次々に発症してしまうともうお手上げだ。パンデミックということになる。政府の発表したこの2週間が勝負の期日というが、それはだいたい3月半ばあたり。この2週間のおかげで小中学校は休校、そして多くのイベントが縮小、あるいは中止になっている。野球は無観客、サッカーは延期、そして東京マラソンは一般ランナーの出走取り消しだ。

ここで感染拡大してしまうと、日本国が今年の大一番だと考えている東京オリンピック開催が遠のく。これだけはなにがあっても避けたいという意思がどうにも透けて見える。確かにやってくれないと日本経済はズタズタになるに違いない。

果たしてオリンピックは開催できるのだろうか。

とくに気にしているのは大会に大きく関与している会社だろう。オリンピックのお土産を作っている中小企業などはもう死活問題だ。オリンピック饅頭の在庫を抱えて途方にくれるしかない。

スポーツメーカーも大変だ。オリンピックは大きな見本市を兼ねてるわけだからね。

先に行われた東京マラソンも大変だった。3万人を超える一般ランナーは参加できず。新製品のプロモーションも宙に浮いた。

その東京マラソンでも耳目をさらったのが〈ナイキ〉の厚底シューズだった。お正月の箱根駅伝はいうに及ばず、この大会でも上位入賞者のほとんどがこれを履いていた。世界陸連がこれに待ったをかけ、このシューズの使用を禁ずるかどうかというトピックが盛り上がったが、大会4か月前までに発売されており、上限4cmならOKというルールを出した。そしてその後に出たのが〈ナイキ〉のエアズーム アルファフライ ネクスト%であった。なんと厚さ39.5mm。まるで示し合わせたかのようなレギュレーションである。

口さがない人々は、ロビー活動があったのではと勘ぐるが、蛇の道は蛇なのは前述のコロナ問題を出すまでもない。まあこれも噂話の類である。

ともかくこれで困ったがの国内メーカーだ。オリンピックのタイミングに合わせてセンセーショナルに新製品を出したかったのに、4か月ルールに縛られて予定を変更せざるを得なくなった。

果たしてどんなモデルがどのタイミングで出るのだろうか。

〈ナイキ〉の場合は、フルマラソンの記録が男子2時間50分、女子3時間40分以内の者ではないと買えないというからそもそもぼくは客じゃない。

というわけで市民ランナーの自分としては、国産メーカーの新製品を心待ちにしているわけだ。

ただこの原稿を書いている時点では、それらの発表はまだ。よしんば発売されてもエリートランナー向けになる可能性もある。

そろそろ新年度だし、これまで履いていた古いモデルを脱ぎ捨てて新しいシューズで走りたい。ということで、〈アシックス〉党の自分としてはこの1964年の東京をイメージしたというオリンピックモデルでいいかなと思っとります。

¥16,000+TAX

〈アシックス〉が打ち出すランニングシューズの代表作「GEL-KAYANO」シリーズの26代目モデルは、1964年の東京をイメージしたレトロなデザイン。前足部とかかと部にGELを内蔵することで衝撃緩衝性を高め、ミッドソール採用にされた軽量性に優れるFLYTEFOAMと、反発性に優れたFLYTEFOAM PROPELを採用することで、スムーズなライディングを実現した。

PROFILE

Toshiyuki Sai
Publisher, HOUYHNHNM / Editor-in-Chief, HOUYHNHNM Unplugged

After working as a freelance editor for Magazine House and Popeye, he managed stylists and started his own editing/production company, which was renamed Rhino Inc. in 2006.

INFORMATION

ASICS Japan K.K. Customer Service Center

Phone: 0120-068-806

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