呪物と怪談を探す、旅の作法。
帰り際、この旅を振り返りながら、田中さん流の「怪談と呪物の集め方」を聞きました。はじめての旅先の場合、まずは歩き回ることが大切だといいます。
「目的がはっきりしていれば別ですが、怪談も呪物も、その場所の歴史に程度詳しくなればなるほど、本質みたいなのが分かり、より深く理解できると考えています。いまはインターネットで日本のみならず世界と繋がりますから、それを駆使すればあらゆることがたやすく知れる。でもそれは、実際にその場所を訪れたり、ひとに会ったりするのとは全然ちがう。落胆することも失敗することもあるけれど、それがあるからこそ感動もあると思います」
最近は譲り受けたり、引き取ったりも多いそうですが、基本は足で稼ぐスタイルなのです。また、田中さんが呪物や怪談を集めるのは、単なる趣味ではありません。土地の歴史や人間の業を知るための手段でもあります。
「自然の厳しさや貧困、それに植民地時代の話であったり、虐げられたひとたちの願いであったり。呪物にはそうした背景があるんです。なので、呪物を知ることでその土地の理解が深まりますし、町の見方も変わってくるかもしれない。祭りもそうで、珍しいからと行くだけではなくて、土地の歴史を知って参加すると、より深く楽しめると思います」
その言葉からは、ただの興味本位ではなく、土地や文化への畏敬の念やリスペクトも感じられました。この誠実さがあるからこそ、田中さんはきっと、オカルト界のアイドルとして君臨できているのでしょう。
今回の旅で着用していた〈ブランドストーン〉のサイドゴアブーツについても、改めて感想を聞きました。
「いままでずっとスニーカーだったんです。でも、〈ブランドストーン〉は水が染みないし、脱ぎ履きがラクなのもいい。飛行機でもすぐ脱げますしね。それに山も行けるし、街も行けるじゃないですか。海外もよく行くので、次からはスニーカーではなくこれで行きますね」
洞窟の岩場でも、珊瑚だらけの浜辺でも、御嶽の苔むした石畳でも。田中さんの足元を三日間支え続けたサイドゴアブーツは、たしかに旅の相棒になっていました。
次に狙っている祭りを聞くと、「日本の儀式も、世界の祭りも、知っているけれど行ったことがない現場はまだまだたくさんある」と田中さん。これからも、有名なところはもちろん、誰も知らないような祭りにも参加してみたいといいます。「まったく時間が足りないですね」と話すその目は、すでに次の秘祭を見ていました。
呪物コレクターの旅に、終わりはなさそうです。それにしても、日本には不思議がいっぱい。
[Claire] Brandon Stone.CLASSICS #558 ブラック ¥30,800(Brandstone)
待望のハーフサイズ(幅広モデル)も誕生した、ブランドを代表する「CLASSICS」シリーズの定番カラー。レザーライニングやクッション性に優れるXRD®を搭載したインソールなど、機能を詰め込んだ一足。履けば履くほど足に馴染み、手放せない相棒へと育っていく。