PROFILE
1996年生まれ、愛知県出身。新卒でWWD JAPANに入社後、2022年に「MIDWEST」へ転職。現在はメンズバイヤーを務めながら、店舗運営、イベントの企画・立案や別注企画も手がける。
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1992年生まれ、愛知県出身。文化服装学院在学中は、メンズデザインコースでテーラリングを学びながら、「LAILA」で働く。卒業後は同店に入社し、店頭に並ぶヴィンテージウェアの修繕に加え、インハウスレーベルの企画・生産管理として立ち上げから6シーズン携わる。2018 年秋冬〈MASU〉のリブランディングを機にデザイナーに就任。
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1994年生まれ、奈良県出身。VANTANデザイン研究所在学中に〈DAIRIKU〉をスタートし、2016年には「Asia fashion collection」でグランプリを獲得。翌年、「NY FASHION WEEK」で初となるランウェイ形式でコレクションを発表。シーズン毎に“映画”を着想源としたコレクションを展開し、25SSコレクションでは、初の短編映画”AISLE”を製作しコレクションを発表した。
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1995年生まれ、愛知県出身。高校卒業後、大阪でアパレルキャリアをスタート。ヴィンテージ・アーカイブと現行品をミックスさせるファッションカルチャーに強い影響を受け、ヴィンテージショップで販売キャリアを重ねる。その後三原康裕に師事、SOSU社のストリートレーベル〈MYne〉に参画し、2018年にディレクターに就任。2023年にブランド名を変更し、〈KAMIYA〉としての活動をスタートさせる。
ものづくりの美学。
ーあらためてみなさんを前にすると、なかなかパンチのある並びで緊張します…。まずは関係性から聞けたらと! 年齢は近いと思うのですが…?
後藤: 近そうだけど何歳か知らないですね(笑)。みんな何歳なの?
岡本: ぼくは後藤さんの2つ下かな。
神谷: で、その1つ下にぼくがいて、さらに1つ下に大澤さんですかね。
大澤: ですね。
ー過去に、それこそ「ミッドウエスト」によって開催されたトークショー「MIDWEST DESIGNER TALK SHOW FESTIVAL」でもこの3名で登壇されていましたね。普段からよく、つくるものや自身のクリエーションについてなど、意見交換されるんですか?
後藤: いや、全然ないですね。
神谷: プライベートで会っても、ふざけてばっかりですもんね。
ープライベートで会うこともあるんですね。
後藤: ありますよ。神谷くんとはよくフットサルを。
神谷: その辺のひとたち(この取材を囲むブランドチームや撮影しているカメラマン)も一緒にね(笑)
後藤: 服づくりなんていうのは、みんなそれぞれの領域でやっていることだから、あまり外野がとやかく言うことじゃないのかなとぼくは思ってるんです。だからそういう話題は知らず知らずのうちに避けてるのかも。だけど、こないだの神谷くんのショーがあまりにも良かったから、そのときは思わず連絡しちゃいましたね。
神谷: 珍しいですよね、あんなこと。熱のこもった意見をいただいて、ただただうれしかったですね。
ー岡本さんは自身がつくるものに対して、他人に意見を仰いだりしますか?
岡本: まったく関係のない仕事をしているひとに意見を仰ぐことはあります。視野が狭くなっちゃってるときに、俯瞰で見れたりするので。
ー関係性やものづくりへの姿勢がうかがえたところで早速本題に。セレクトショップ「ミッドウエスト」が今年で創業50周年。まずはバイヤーを務める大澤さん、率直にいまの想いを聞かせていただけますか?
大澤: セレクトショップとして半世紀という長い期間続けられたことは、日本のみならず、世界を見渡しても稀なケースだと思うので、まずはそれを迎えられたことをとてもうれしく思っています。そもそも、ブランドがあってこそのセレクトショップ。あらためて、デザイナーさんをはじめとする関わってくださっている多くの方々に、感謝の意を表したいですね。
ーデザイナーの目には、この50周年という偉業はどのように映っていますか?
後藤: ただただすごい。でも50周年と言われても正直あまりピンとこなくて。で、50年続けることがどれだけすごいことなのか気になって調べてみたんですけど、企業として50年以上続く会社って全体の1%未満らしいんです。
後藤: そう考えると、こんなにも変化の激しいファッション業界で“セレクトショップ”という業態でここまで続けてこられたことは本当にすごいこと。これから先もファッションの世界で生きていこうとしている自分にとって、とても励みになるし、勇気をもらえる存在ですね。
神谷: 本当そこですよね。ここ数年だけでも流行はコロコロ変わっているのに、50年のなかでどれだけの転換期があったか計り知れない。でもそんななか、ずっと一線で居続けていることは本当にすごいことです。
岡本: ぼくらってファッションが好きだから、その歴史を遡ったりすることもよくあるじゃないですか? それこそ70〜90年代のムードは感じたくても感じられない、おとぎ話のようなものなんですけど、50周年ということは、それを最先端で見てきて世の中に伝えてきたということ。ショップとして、とにかく説得力がありますよね。
神谷: そうですね。この50周年を記念していろんなブランドさんが集まって記念品をつくってるじゃないですか? それもこの歴史と、その厚みからくる説得力があってこそできることですよね。
ーその“50周年を記念した制作物”について、どういう取り組みなのか教えていただけますか?
大澤: 50のブランドさんに、1点モノの制作を依頼しました。テーマはあえて設けず、「自身のクリエーションを通じて、次世代のデザイナーへ伝えたいもの」とだけ各ブランドさんに伝えて。
大澤: ぼくたちがお取り引きさせていただいている素晴らしいブランドさん、そしてそのデザイナーさんの、“純粋に好きなファッション”というのを形にしてもらいたかったんです。いまファッション業界を進路として考えている学生はもちろん、そのもっと下の世代にも、ファッションを好きになって、ファッション業界に飛び込んできてもらえたらな、という想いで企画したものになります。
ーこの話を受けたときに、率直にどう思いましたか?
後藤: 50…、そんなに集まるの?って(笑)
神谷: 思いました。こんなことミッドウエストさんしかできないですよね。
ー服に限らず、というオファーの仕方だったんですよね。
大澤: そうですね。服ではないブランドさんもいます。
神谷: ちらっと見たんですけど、リック(リック・オウエンス)のは衝撃的でしたねー。それを三原さん(メゾン ミハラヤスヒロ / デザイナー)といっしょに見て、「もうこれ、なんでもアリじゃん」って2人で笑ったのを覚えています(笑)
ーそんな〈リック・オウエンス〉の作品は展示会場での実物をお楽しみに、ということで、まずは神谷さんのつくったものから紹介してもらってもいいですか?
神谷: ミッドウエストさんも毎シーズン欠かさずオーダーしてくださっている、〈カミヤ〉の顔と言っても過言ではない、ダックのペインターパンツをベースにしました。〈カミヤ〉にブランド名を変更した三年前のファーストシーズンから続けているアイテムで、ここに至るまでのぼくの歴史を表しているのかな、と思って。“経年変化”ってブランドの軸だったりするんですけど、原点回帰という意味でも、この機会につくるのは意味があるなと思ったんです。
神谷: 50ものブランドが集まるなかで、〈カミヤ〉は比較的若いブランド。なので若いブランドらしくパンクの精神性も混ぜたくて、日々少しずつ安全ピンを刺しまくりました。
後藤: リアルでいいですね。これを履くひとはどんなひとか、この先どう育っていくか、そういうのを想像するのが楽しみな一本だね。
大澤: なんか懐かしさもあって、〈カミヤ〉らしくていいですよね。
ー続きまして岡本さん。〈ダイリク〉ではどんなものをつくられたんでしょうか?
岡本: ぼくはこのスカジャンですね。
岡本: 〈ダイリク〉で出しているいわゆる“ビッグスリーブ”というやつなんですが、各パーツを裁ち切りにしたり、脱色させたり、毛羽立たせたり、ヴィンテージ加工を施した一着です。ミッドウエストさんの50周年に対して“おめでとうございます”という意味合いを込めて、お店のあるTOKYO・NAGOYA・OSAKAと年号を入れたスーベニアジャケット風に仕上げました。
後藤: 凝ってるね。このアイテムのための刺繍デザインですよね?
岡本: そうです。これのためにデザインを起こしたものです。日本地図も今回のためにつくったもの。かなり急ピッチで各所に仕上げてもらったので、その分いろんなひとの想いも乗っていると思います。
ーでは最後に後藤さん、〈エム エー エス ユー〉でつくったものを紹介してください。
後藤: うちのシグネチャーでもある「ギャラクシージーンズ」にフロッキー加工を施したものです。
後藤: 不定期で「トワルチェック」という、いわゆる世に出なかったアイテムをオークション形式で展示販売するというイベントをやってて、直近で開催したのが今年の4月だったんですけど、そこに「ミッドウエスト」のみなさんが来てくれたんですよ。大澤さんだけじゃなくて他のスタッフの方々も。それがすごくうれしくて印象に残ってて。そのイベントのなかで最も反響があったのが全面にフロッキープリントを施したデニムジャケットだったんですけど、それをおもしろいと思ってくれたことを思い出しながら、シグネチャーアイテムをベースにアレンジしたという流れになります。
服をつくることって、こんなに効率化の世の中においてすごく非効率なことじゃないですか。無駄なことだらけだし。でもそれを楽しめるマインドっていうのをぼくは伝えたいなと思ってて。おもしろいことを思いついたらまずは形にしちゃおう! みたいなエネルギーを次の世代に伝えていけたらいいなと思って作成しました。
神谷: いいですね。強めな想いで。
後藤: かなりソフトに言っているつもりですよ。話すと長くなるから(笑)
ー大澤さん、完成したアイテムが届いたときの感動はすごかったんじゃないですか?
大澤: そうですね。何が届くが分からないわけですよ、お任せしているから。なので、どんなものが届くんだろうって、スタッフみんなでソワソワしながら待って、開封して「お〜‼︎」と感動する、みたいな感じでしたね。
ーこの3アイテムだけでもかなり見応えがありますが、このクオリティのものが50も並ぶってすごいことですね。
大澤: はい、本当に楽しみです。展示は名古屋での開催を皮切りに、大阪、東京と巡回していくような形にしています。ぜひ会場に足を運んで、各デザイナーの想いを直接感じていただきたいです。
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