5つのトピックスで探る、ヒップな京都の歩き方。

02 GOURMET 京都を席巻する焼きそばブーム。

清澄なダシやツルッと美肌の湯葉、箸が立つような濃厚スープの背脂チャッチャ系。数えればキリがないほど、古都の食文化は歴史と同じくらいに広くて深い。そんな京都では空前の“焼きそば”ブームが到来中。どうやら、シンクロニシティ的に5軒の専門店がオープンしたことがその発端らしい。B級グルメの帝王のような存在だけれど、街を賑わせるそれはひと味もふた味も違っています。もっちり太麺に羽織った香ばしいソース、アクセントになった鮮やかな紅生姜のスカーフ。そんな凛とした姿は、街を闊歩する御仁のようになんだか上品です。

「焼きそば スタンドバイミー」 街人を惹きつける、麺とソースの誘惑。

「焼きそばムーブメントの火付け役」と称されるこちらは、人気のラーメン店がプロディースするだけあって、自家製麺のもっちり具合が規格外！　ダシを効かせたほんのり甘めのソースと麺、契約農家から仕入れた新鮮野菜が三位一体となり、箸の上げ下げが止まらなくなること請け合いです。ここの暖簾をくぐるなら、ペッコペコにお腹を空かせてソースと塩の両方をいただくのがベストでしょう。

「焼きそば専門天」 鴨川のカップルに告ぐ。ソースにくちづけせよ。

創業14年の鉄板焼き・お好み焼き屋「仁」で評判だった焼きそばを、「より多くの街人に」と、満を持して2020年にオープンしたのが、こちらの「専門天」。塩とソースの2種類の味付けやさまざまなトッピングが選べるなか、今回セレクトしたのはオーソドックスなソース焼きそば（豚肉）。京都の地ソース数種をブレンドした秘伝のタレがよく絡んだ細麺をすすれば、芳醇なソースの香りが鼻腔をくすぐります。鴨川からほど近い距離にあるため、テイクアウトもおすすめ。風情ある河原でズズッとすするのも、なかなかヒップな楽しみ方では。