自然の中にいると、
問題の見つめ方が変わる。

コースでの走行を終えてキャンプサイトへ戻ってきた北澤さん。到着するやいなや、夕飯の支度に取り掛かります。
「ぼくはむかしから外で遊ぶのが好きでした。小学生の頃から釣りをはじめたりして、山遊びはスポーツみたいに勝ち負けもないですし、自分に合っているような気がするんです」



多くの自然愛好家が話すように、土や木との接触がすくない都会では感じることができない豊かさを、自然の中にいると感じることができると北澤さんは続けます。
「非日常的な体験ですよね。それを求めてここへ来ているんだと思います。自然の中にいると落ち着きますし、単純に気持ちがいいんです。マウンテンバイクに乗ってトレイルを走りながら自分の技術を磨くこと、それに加えて、自然と一体になれること。このふたつが自然へくる理由ですね。風や空気と同調して、自分がその場になじむような気分になれるんです」

「自然と一体になれると、自分のことや、都会の暮らしを俯瞰して眺められるようになります。普段の仕事のこととか、プライベートのこととか、ちょっと気が楽になるんですよ。自然にいること自体が問題解決に直接影響を与えることはないですけど、問題の見つめ方が変わるというか、考えや気持ちを切り替えることができるんです」
つまりは自然の中に訪れることによって思考がポジティブになれるということ。北澤さんはさらに続けます。
「ぼくの名前は“肯”ですから(笑)。『難しいな、ダメだろうな』って思っていると大体うまくいかない。だから『もしかしたらうまくいくんじゃないかな?』っていつも思うようにしています。海外へバイクパッキングへいくときも、はじめは無謀に思えたことが『うまくいく』と色々方法を模索しているとだんだん活路が見えてくる。だから、まず一歩踏み出す、やってみるってことが本当に大事だなと思います」
