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スタンダードを再定義!? ジャーナル スタンダードの挑戦。
Featuring STANDARD JOURNAL

スタンダードを再定義!?
ジャーナル スタンダードの挑戦。

セレクトショップ「ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)」の新レーベル、「スタンダード ジャーナル(STANDARD JOURNAL)」。「ジャーナル スタンダード」が25周年を前に、 自らのスタンダードを再定義するという大掛かりなプロジェクトです。企画・プロデュースを手がけるのは、フイナムのこちらの記事でもおなじみ、クリエイター集団「IAC(International Association of Creators)」。

業界内でも期待の声が飛び交っていた話題のプロジェクトが、2月1日(月)に満を持してローンチします。今回は、「スタンダード ジャーナル」の第一弾に参加しているクリエイターと、プロジェクトの関係者に一同に介していただき、本企画の意図から、YouTubeで制作過程の一部始終を公開した異例の企画会議、そして実際に制作したアイテムについてまでを伺いました。

  • Photo_Masayuki Nakaya(Interview)
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Ryo Komuta

4人のクリエイターが思う「ジャーナル スタンダード」。

ー では、みなさんがお題をもとに制作したアイテムについて教えてください。まずはシャツから。

尾崎: 僕はコンセプト先行です。オックスフォードシャツなんですけど、それぞれ生地メーカーが違う、クレイジーパターンです。〈ブルックスブラザーズ〉のオックスフォードシャツの生地を意識して作っているメーカーが何社かあるんですけど、番手とか作り方が違うので、結果的に違う生地になっているのが面白いかなと。ストライプだとピッチが違うから分かりやすいですね。スタンダードというキーワードだから一色だけど、微妙な違いが分かるようにしました。

各¥17,000+TAX

ー これはご自身のブランドでリリースしたことない、初出しのアイディアですか?

尾崎: そうですね。会議で生地をいっぱい持ってきてくれたときにひらめきました。3つの生地を同じカラーで使ってみようと。ただ、さっきオンラインストアを中心に展開するって聞いて、ビビってます(笑)。写真でこの違いが分かるのかな。

松尾: 撮り方は試行錯誤させてもらいます(笑)。

西野: 僕にとっての「ジャーナル スタンダード」は、軍パンにドレスシャツを合わせるようなイメージなんです。ベースはアメリカンだけど、生地とディテールはドレッシー、みたいな。今回作らせてもらったシャツは、僕も〈ブルックスブラザーズ〉がベースです。僕が在籍していたときにあったレギュラーカラーのシルエットなんですけど、これ、隠れた名品だと思っていて。基本的にアメリカンだけど、襟と素材はドレッシーなんです。まさに今回の企画にハマると思って、持っていたものを引っ張り出して、参考にしました。

各¥16,000+TAX

金子: この2点は、ベースが近いんですが、あえてこちらで調整しなかったんですよね。結果的にお互いの個性が出ていて、全然違うものになっています。

寺田: ベースの上側には、上質な100/2のブロードを使用し、ドッキングした下側にはスーピマのピンオックスを使用して同じ白ですが素材感の違いを出し、ヘム(裾)のラインやカフスの形状も上下で違うシャツをベースにドッキングさせて、当時ジャストで着ていた時代の服を現代のサイズにリサイズしたイメージで作成しています。

¥23,000+TAX

寺田: ド定番とは少し違うデザインですけど、ベーシックなものにデザイン性を入れてみました。カフスや裾を二重にしていて、レイヤードしているようなデザイン。着込んでいくうちに、断ち切りの部分に味が出て、より雰囲気が出ると思います。

南: 僕の場合は、阿部さんに、シャツはどんなものがいいか聞いてみたら、持ってきてくれたのがデニムのワークシャツでした。阿部さんとしては、ウエスタンシャツを作りたかったみたいなんですけど、僕が着ないからワークシャツにしています。50年代のデザインがベースになっていて、当時は作りがすごく丁寧だったんですよね。だから、ドレスシャツの工場で縫製してもらいました。生地はリネン混で上品さもあります。これって、もともと僕が〈グラフペーパー〉でやっていることに近いので、阿部さんの作りたかったものと、僕が作りたかったものを、うまいこと融合できたのかなと思います。

¥18,000+TAX

¥18,000+TAX

ー みなさんの解釈が全然違くて面白いですね。二つめは、スウェットです。

南: 阿部さんが〈ラルフ ローレン〉のリブが二重になってるスウェットを持っているらしくて。それにヒントを得て、リブだけじゃなくて、袖も身頃も全部二重にしようと思ったんですけど、さすがにやりすぎかなということで、リブだけ二重にしてみました。それを僕の好きなサイズ感で、メンズとレディース、ワンサイズずつの展開です。個人的には、首元が詰まっているほうが好きなんですけど、今回はゆるめにしてます。

¥19,000+TAX

南: 僕が持っている古着のスウェットがかわいいんですけど、そういうのは〈グラフペーパー〉では作らないので、その寸法をベースにしています。女の子が着るときなんかは、首元がゆるく開いているほうが似合うのかなと。

寺田: スウェットも考え方はシャツと一緒です。上がリバースウィーブ、下が今どきのきれいめな生地にして、僕が「ジャーナル スタンダード」に通っていた2000年代のサイズ感と、今のサイズ感をドッキングして、古着と現行のミックス感でデザインしました。上のパーツだけダメージ加工を入れて、少し着古した生地感にしてもらいました。これも、かなり手の込んだものにさせてもらっています。

¥23,000+TAX

¥23,000+TAX

南: かなり作り込んでるよね。僕と阿部さんが作ったスウェットは、リブだけ二重だから、作り込んでいるのが分かりにくいんだよな(笑)。

一同: (笑)

尾崎: 僕は、〈チャンピオン〉のリバースウィーブをベースにしていますが、シャツと同じく、いくつかの生地を組み合わせています。だけど基本的には、うるさくならないようにしようと思いました。これもオンラインじゃ分かりにくいかな……(笑)。ちゃんと見れば分かる、ってくらいの違いです。

¥18,000+TAX

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南: ちゃんと見れば分かるよね。でも、うちのはリブが二重だから……。

一同: (笑)

松尾: 色が一緒でも、着込んでいくと、風合いの違いが出てきそうですよね。

西野: 僕も〈チャンピオン〉のリバースウィーブをベースにしていますが、少しドレッシーにしたくて、襟付きにしました。90年代にチンストラップ付きのスウェットがあったんですけど、丈を短くしたり、リブを強くしたり、僕好みにアップデートしています。

各¥20,000+TAX

ー 最後に、ミリタリーパンツです。

各¥29,000+TAX

南: 高級な100/2(ひゃくそう)ブロード生地を二重にして、6ポケットにしています。要するに、倍以上の費用が掛かっています。

松尾: これ、すごくふわっとしていて、いいですよね。

南: 100/2以下の生地で作ると、ゴワゴワになっちゃうんです。とにかく僕は楽な服が好きなので、ベルトをしなくてもいいように、ウエストをギャザーにしたイージーパンツ仕様にしました。

西野: サイズ感もいいですね。

松尾: 細かい部分をかんぬき止めにしていたりして、面白いんですよ。

南: そこは阿部さんからの提案です。細かいところまでたくさんやりとりを重ねました。

¥27,000+TAX

¥27,000+TAX

寺田: 僕は、散々作ってきたであろうアメリカ軍のコットンポプリンのベイカーパンツをベースに脇を外し、今の気分のオーバーサイズのフランス軍のM-47のヘリンボーンのカーゴパンツを脇に繋ぎ合わせて、リサイズして今着たい気分のサイズ感にしたリメイク風のデザインにしています。オーバーサイズなM-47に。生地はヘリンボーンとポプリンを組み合わせました。穿いたときのたゆみを意識しています。

各¥23,000+TAX

西野: これは、アメリカ軍が50年代に使用していたユーティリティパンツがモチーフです。ドレッシーに穿ける軍パンをテーマにしました。そのユーティリティパンツには、もともとタックとセンタークリースが入っているんですけど、もっと上品にするために、素材をコットンからウールに変更しています。肉厚な素材なのでシルエットが分かりやすくなって、ミリタリー感が増しました。何度も〈ニート〉で作ろうと思っていたものなんですが、こちらで作らせてもらいました。

各¥24,000+TAX

尾崎: 僕もシャツやスウェットと同じで、ヴィンテージのミリタリーパンツを3種類ミックスさせたシルエットにして、いろんな生地メーカーのヘリンボーンを使っています。これもまた、オンラインの写真じゃ分かりにくいかな……。

南: 分かるよ! こっちは生地を二重にしてるから……。

一同: (笑)。

ー ざざざっと、駆け足での説明となってしまいましたが、素晴らしいアイテムばかりですね。値段といい意味で見合ってないと思います。

金子: 「ジャーナル スタンダード」のオリジナルアイテムですが、本当に圧倒的なクオリティです。セレクトショップのオリジナルって正直、ワンシーズンだけ着るためのものが多かったと思います。でもこれは、確実に長く着られる縫製や素材使いです。みんなの思いが形になって、まだリリース前ですけど、すでに成功を実感しています。

ー これまでとは異なるコミュニケーションを経て完成したアイテムが、どんな風なリアクションで受け止められるか楽しみですね。クリエイターの皆様にはもう少し突っ込んだ感想をお聞きしたいので、あとでアンケートを送らせていただきます。この場だとなんだか収集つかなくなりそうなので(笑)。

INFORMATION

ジャーナル スタンダード 表参道メンズ店

電話:03-6418-7961

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