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テクニクスが繋ぐ、ヒト オト 暮らし。 関 祐介
Life with Technics.

テクニクスが繋ぐ、ヒト オト 暮らし。
関 祐介

専門用語が飛び交い、素人には少しとっつきにくいオーディオ機器。でも、音楽が生活とともにあることで、間違いなく暮らしに彩りを与えてくれます。今回は建築デザイナーの関祐介さんに、空間・暮らしという観点から〈テクニクス(Technics)〉のコンパクトステレオと完全ワイヤレスイヤホンの楽しみ方を紐解いてもらいました。

自分の理想と重なるデザイン。

ー ファッションやカルチャーという面から、音楽話もお伺いしたいのですが。

関:世代的にメロコア全盛の時代だったので、20代の頃はパンクを中心に聴いていて、音楽からもすごく影響を受けました。ロンドンナイト(1980年にスタートした伝説的ロックイベント)にも通ってましたし、大学時代にはイベントもやっていたんです。当時はパンクが好きな人は格好もパンク的な感じで、ファッションと音楽などのカルチャーも近かったですよね。実は僕も〈テクニクス〉のターンテーブル「SL-1200MK3」を持っているんです。

ー そんな関さんが建築デザインという側面から見ると、空間でのオーディオ機器のデザインってどんなものがいいんでしょうか?

関:個人的にオーディオ機器を設置する場合は、空間にフィットさせるという考え方ではなく、置いたときに違和感が出ないものがいいと思っています。素材感や仕上げの関係から、悪目立ちしてしまうものも多いんです。

ー 今日は〈テクニクス〉の「SC-C70MK2」を持ってきたんですが、こちらはいかがでしょうか?

関:その観点でいうと、「SC-C70MK2」は床の素材がモルタルだろうと木だろうと合いそうですね。どんな空間にも合うし、空間の質がワンランク上がりそうだと感じました。僕が一番いいプロダクトだと思うのが、空の箱、つまり何も無い空間に置くだけでその場が高揚される、こういうものだと思うんです。僕が設計しているホテルでも使いたいですし、個人的には和室に置くのもいいなと思っていて、町屋に欲しいです(笑)。

ー 和室ですか! ホテルには実際に導入しているところもあるそうです。「SC-C70MK2」は「正倉院」にインスパイアされた〈ナショナル〉時代の高級オーディオを現代的なアレンジで新たにデザインされたみたいで。

関:なるほど、フロントのルーバー部分ですかね。どおりで和室を連想させるわけです。また、トップパネルからサイドにかけての角の出し方もいいですね。エッジの出し方で、見た目の高級感がぐっと高まっている気がします。〈テクニクス〉らしさも感じるデザインでかっこいいですね。

ー 関さんがプロダクトを見る視点って、建築デザインと同じでパーツ単位で見るんですね。普通は、使っていて“なんかいい”って感覚で気づくことが多いのですが。

関:パーツで見ますね。それこそ、音量ボタンの収まりとかすごくいいと思いますし。電源と音量調整だけアナログになっているのも、どれだけ音量を上げたのかがわかりやすいし、確実に操作できる仕様なのが嬉しいです。

関:そして、特に気に入ったのは、影の落ち方です。自分が設計するときもそうなんですけど、どう影を落とすかで全然違って見えるんですよ。モノの高級感って影の質量で決まっているんじゃないかな、と個人的に考えているので。

ー 谷崎潤一郎が名著『陰翳礼讃』で語ったような、東洋の美学ですね。デザイン全体を見て、思うことはありますか?

関:しっかりとデザインされているんだけど主張し過ぎていないところに感銘を受けますね。人ってつい自分の主張を入れたくなるものだと思うんです。僕も空間に対してそう思うことがあるんですけど、それをできるだけ排除しているんだなと。デザインをしているけど、それを過度に見せようとしない。それは僕にとっても理想のデザインと言えますね。「SC-C70MK2」のサイズなどの寸法はどうやって出しているんですか?

ー 音質を考えて中に木箱を入れているらしいんですが、音質を考慮した空間容積を取らないとというところから始まり、内部と外部との常にせめぎ合いが起きているそうです。

関:建築の考え方に近いですね。飲食店とかって厨房スペースが絶対なので、置かれるモノから情報を整理して、組み立てていくんですよ。そもそもこれを聞いたのも、建築では一般的に綺麗な数字で寸法を選ぶんですが、うちのスタジオではちゃんと試した上で自分が美しいと思う寸法でつくろうと考えているからなんです。

ー 珍しいやり方ですね。どちらも目に見えないけれど、想いが詰まっていると。

関:気がついたんですが、こういうプロダクトは置くことで空間の質が上がるというのが一番いいんでしょうね。なぜなら、技術はいまの最高技術を入れてる訳じゃないですか。それは見た目も一緒で、安価な素材でつくるという訳でなく、エッジを綺麗に出したりして美しさも気を使うのが、正解中の正解なんでしょうね。

ー では、実際に音楽を聴いてみていただいて、サウンド面はいかがでしょうか?

関:コンパクトな大きさなのに、すごくダイナミックな音がしますね。自宅用でもいいんですが、音量も出るのでカフェとかお店で使ってもよさそうです。しっかり低音も出ていますね。CDも聴けて、スポティファイなどのサブスクからすぐに音楽も流せるし、「Space Tune™ Auto」を使えば環境に合わせて自動で音も調整してくれて便利ですね。

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