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テクニクスが繋ぐ、ヒト オト 暮らし。 MURO
Life with Technics.

テクニクスが繋ぐ、ヒト オト 暮らし。
MURO

音楽好きなら誰もが知っているKing Of Diggin’ことMUROさん。長年に渡ってレコードをディグり続け、文字通りターンテーブルとともに生活するアーティストにとって、〈テクニクス(Technics)〉はどんな存在なのだろう。音を繋ぐように、90年代のカルチャーを現代へと繋ぐMUROさんと一緒にレコードショップを訪れ、その魅力を聞いてきました。

若い世代へのバトン。

ー いまでは若い世代もレコードを楽しんでいて、90年代のカルチャーが再びリヴァイバルしていますよね。

MURO:嬉しいことですよね。ちょっと前に渋谷にあった「レコファン」が閉店してしまいセールをやっていたんですが、驚くことに若い女の子が1人で来ている光景を多く見かけたんですよ。いままでは、そういうことは珍しいことだったので、時代は変わったんだ、と体感しましたね。ちゃんとレコードを買うことを目的としてショップを訪れる人が増えている現状に、少しびっくりさせられています。

ー 一方でサブスクなどによる配信も当たり前となっている時代ですが、レコードの魅力はどこに感じますか?

MURO:レコードってモノとして面白いし、一番魅力的な形だと思うんですよね。小さい頃、漫画の主題歌とかをソノシートで聴いていたのが最初の出会いだったんですけど、針を落としてなんで音が出るんだろうって不思議でしょうがなかったんですよ。それに、ジャケットのアートワークも楽しめたり、そこから時代背景が読み取れたり。さらにはA/B面というドラマもあって、いろんな魅力が凝縮されているモノだと思います。

ー MUROさんが7インチにこだわるのも、そんな思い出が影響されているんですかね。

MURO:あるかもしれないですね。ソノシートがレコードへの入り口でしたから。それに大きさも好きなんです。実家がガソリンスタンドで、伝票を差し入れる円形の什器があったんですよ。7インチがぴったり収まるサイズ感だったんですが、それをもらって。持っていた7インチをびっしり詰めて、ぐるっと回してパッと手に取ったレコードをかけて遊んでいたんです。僕にとってレコードといえば、の形だったんですよね。

ー 見た目もキャッチーですし、そんな風に遊べるほどの軽さも魅力ですよね。最初は驚かれなかったですか?

MURO:みんなの機材がPCになって軽いって喜んでいたんですが、こっちの方が軽いよって思ってましたからね(笑)。最初に7インチだけでDJをしたのは、いまはなき「ケイブ」でした。ジャクソン5(JACKSON 5)だのジェームス・ブラウン(James Brown)だのを海外で7インチに買い替えて、7インチだけでできるかなって始めたんです。そのときに、みんながすごく喜んでくれたのをいまも鮮明に覚えています。

ー MUROさんの影響もあったのか、最近は7インチも市民権を得てきましたね。

MURO:ぼく自身もキャプテン ヴァイナル(CAPTAIN VINYL)をノリさん(DJ NORI)と始めてからは、さらに7インチを買う機会が増えていきましたね。昔は7インチと言えばレゲエのイメージが強かったですけど、いまではオールジャンル出していますよね。こんなことになるとは思わなかったですよ。

ー 今日はご自身のレコードもお持ちいただきました。

MURO:これは3月25日にリリースされた『DIGGIN’ BOX SET from DIGGIN’ ICE 2020 selected by MURO』のテストプレス盤です。昨年発表した『Diggin’ Ice 2020』から6曲をセレクトしています。初めて7インチ化する曲たちが年代問わず入っているので、多くの人の手に届いてほしいですね。それと、オリーブオイル(OLIVEOIL)と「TOGETHER HOODS TOUR」というツアーを以前やったんですが、そのときにダブとヒップホップの中間くらいの作品をつくろうって話をしていて。その作品が「マンハッタンレコード」からゴールデンウィーク前後にリリース予定なんです。

ー 昨年スタートしたブランド〈レコグナイズ(RECOGNIZE)〉など、本当に精力的に活動されていますね。

MURO:〈レコグナイズ〉では〈メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)〉と〈バウ ワウ(BOW WOW)〉のトリプルコラボシューズをつくったり、〈レディメイド(READYMADE)〉と一緒にオーバーオールをつくったりしていますね。

ー こうしてお伺いすると、MUROさんはご自身が体験されてきカルチャーをいまに昇華して幅広い世代に提示しているように感じます。

MURO:いい意味で、当時の文化をいまに変換して若い世代にバトンを渡せたら、と思いますね。わかやすく面白みを伝えることができれば、次世代を担う子たちも喜んで興味を持ってくれるのかな、と。レコードやターンテーブルもそうですが、いま、時代の周期がいい感じにマッチしてくれているので、ぼくとしては楽しみながら気持ちよくいろんな発信ができています。これから初めてターンテーブルを手にする人も、恐れずに最初の1台として「SL-1200MK7」にチャレンジしてほしいですね。

INFORMATION

Technics

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Instagram:@technics_jp

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