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FEATURE
先輩アングラーにきいた、お気に入りのルアーと釣れるルアー。
MONTHLY JOURNAL MAY.2021

先輩アングラーにきいた、お気に入りのルアーと釣れるルアー。

今月活動をスタートした「フイナム フィッシング クラブ」。ほぼ初心者で挑んだ初釣行では釣れず、大敗を喫しました……。しかし、自主練に向かうメンバーがいたり、新たな道具を追加したりと、我々の熱は高まるばかり! 自然と触れ合う気持ちよさは体感できたので、次なるステップはブラックバスを触ること。どうすれば、釣れるのか。便利なYouTubeを観て勉強するのもいいですが、やっぱり聞きたいのは、先輩方の声。そこで、ファッション関係者の釣り人から、ハンドメイドルアーメーカーのビルダーにまで、釣るためのコツを教えてもらいました。醍醐味のひとつでもある、お気に入りルアーや、使用しているロッドとリールの一部を見せてもらいつつ、アレやコレを質問。みなさん釣り愛が強く、何度も脱線を繰り返しながら、長時間お話いただきました!

  • Photo_Takeshi Kimura
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Yosuke Ishii

初心者を置いてけぼりにせず、間口は開いていたい。

PROFILE

松本光弘さん
痴虫 ビルダー

中学生でバス釣りと出会い、それ以来ブラックバスを追い求め続ける。2004年にハンドメイドのルアーメーカー、〈痴虫(ちむし)〉をスタート。トップウォータールアーを専門に制作し、高い釣果率で人気を獲得。自身もトーナメントに積極的に参戦する。
Instagram:@chimush1kun

ー いろんな種類のルアーを買いましたが、ハンドメイドルアーが気になっています。そもそも、ルアーを作るようになったのは、いつ頃からですか?

地元に、釣りを始めたばかりの頃から通っている釣具屋があるんですけど、そこのおっちゃんがハンドメイドのルアーを持っていたんですよ。高くて買えなかったけど、作り方を教えてくれたから、自分で作るようになりました。それが高校2年か3年生の時。憧れていたルアーメーカー〈ズイール(ZEAL)〉をモチーフにしていて。作ったうちの半分くらいは、実際に釣ることができました。

ー いまも大事に持っているんですね。自分で作ったルアーで釣れたら、めちゃくちゃ嬉しかったのでは?

ドキドキ感が違いました。最初に釣れたのはピンクのパンダだったかな? 実際に使ってみたら、全然思ったように動きませんでした。それでもしばらく続けていたら、バコって食って。機能は伴っていないのに釣れちゃったけど、本当に嬉しかったです。

サム・グリフィン ムーン・シャイン・スペシャル

ー 自作ルアーで釣れたら、喜びもひとしおですよね。

ちなみにこれが、釣具屋のおっちゃんがハンドメイドを買えない代わりに勧めてくれた〈サム・グリフィン(Sam Griffin)〉のもの。大人になってから知ったシリーズ「ムーン・シャイン・スペシャル」で、いま買い集めているところです。ベーシックだけどポイントを押さえていて、釣果を追求しているから、〈痴虫〉と似ているように感じています。

ー 〈痴虫〉を製作する上で、特にこだわっている部分を教えてください。

こう見えてズバリ釣果です。もちろんデザイン性も大切だし、かっこいい方が良いのですが、それだけではダメ。根本的に釣るための道具なので、見た目だけのデザインより機能美に惹かれます。機能とかっこよさが両立しているのって、めちゃくちゃ贅沢じゃないですか。見た目で選んでも、結果が付いてきたほうがいいですからね。

ー なるほど。現時点で目指しているところは?

マニアにも分かってもらいつつ、トップウォーター初心者が使える入門ルアーを作りたいです。初心者を置いてけぼりにせず、間口は開いていたい。

痴虫 プラカイバードミニ

ー 初心者のぼくらにとっても嬉しい言葉です!

それでたどり着いたのが、初のプラスチックルアー「プラカイバード ミニ」。ハンドメイドよりは、手を出してもらいやすい価格にしました。リリースして3ヶ月くらい経ちましたが、釣果報告がたくさん届いています。〈痴虫〉が有名になったきっかけの「海馬」というモデルの機能を取り入れているんですよ。プロレスラーの桜庭がガチの総合格闘技に挑戦して、痛くないプロレス技と見せかけて実戦でも勝てる。そんな感じで、見た目で選んでも釣れるルアーを目指しました。

痴虫 カブメス / クワメス

ー かわいい! ぜひ使ってみたいです。「海馬」のほかに、思い入れの強いルアーも聞きたいです。

10年以上前に初めてリリースした「カブメス」(写真左)と「クワメス」(写真右)。いいルアーが完成したと思ったのに、当初は多くの理解を得られなくて。でも、じわじわと歳月を経て人気となりました。気に入って使い続けてくれているお客さんのおかげです。それはデザイナーとしてありがたいというか、勉強になりました。いいモノを作り続けた先に希望があると気づかせてくれたルアーです。みんなで育てたと思っています。

ー 釣れるようになるアドバイスをお願いします。

誰かに釣らせたい時は、ルアーのサイズを下げています。少し小さめのサイズを使うと、じゃれるように反応することもあるんです。例えば、大人でもおやつは食べますよね。大人とは言え、間食でデカいステーキを食える人は限られてくる。でも、ポテトチップスを目の前に出されたら、ついつい1枚くらいは口にしちゃう。そういった違いを考えた上でルアーを選ぶといいと思います。

(左)ロッド:〈ノースフォークコンポジット(Northfork Composites)〉 ACR70MH、リール:〈シマノ〉スコーピオンXT 1500-7。(右)ロッド:オリジナルロッドサンプル、リール:〈シマノ〉カルカッタコンクエスト200HG。

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