”先入観で判断してはもったいない!”という想いで5枚。
Selected by weber
Item01_Gonzo Cuntry Block Print T-Shirt

畠中: では、次はぼくの番。まずは、みんな大好きなマーク・ゴンザレスの〈ゴンゾ カントリー〉といういまは無くなってしまったレーベルから。3枚用意したんだけど全部柄が違っていて、「この1枚に、何版使ってるんだよ!?」っていうね。
中野: 普通にスゴくない? パネルごとに版が作られていて、それを組み合わせているってことだよね。
畠中: そう、しかもハンドプリントで。だからか同じ配置でもプリントの入り方が全然違って、ほぼアドリブに近いような感じだね。izmtちゃん、これっていつ位のだっけ?
Izmt: 2002年位かなぁ。「ワタリウム美術館」なんかで売られていたよね。
畠中: ゴンズっていま、ライセンスの商品も多いじゃない? 彼自身はレジェンドだし、みんな大好きなんだけど、ライセンスは……。そんな中でもこういったメチャクチャ面白いモノがあるとのを知ってもらいたくて選びました。
中野: シンプルにメチャクチャ金がかかってるね。良い意味で無駄なことをやってるなぁ(笑)
Izmt: 確か当時、ゴンズ自身が手刷りしているって聞いた気がするんだよね。なので、定価もモノによって異なるけど2万円前後だったかな。
畠中: もう全然覚えてないなぁ。じゃあ、1枚だけ残しとこうかな……っていうのを、今回はゴンズに敬意を表して7800円で売ろうっていう心意気を、汲んでいただければなと(笑)
中野: 正直、もう価値が付いているモノじゃないの?
畠中: それがオークションなんかでも、みんな知らないから割と安く見つかったり見つかったりするんだよね。
中野: 気付かれるのも時間の問題でしょ。ただ、これはもうレギュラー扱いじゃないよね(笑)
Item02_X-large Union Flag T-Shirt

畠中: 次は、「実はこんなに格好いいモノもあるんだぞ」って1枚を。初期の〈エクストララージ〉なんだけど、なぜかユニオンフラッグ。なのにメイド・イン・USA(笑)。プリントがいまよりも控えめの大きさだし、本当にビースティ・ボーイズが着ていた頃のやつだね。注目している人はいると思うけど、やっぱり初期のラージは格好いいね。

中野: みんな知っているブランドだけど、いまとは全然違う設立当時の匂いにグッとくるね。
Izmt: ウチでも初期の〈エクストララージ〉は扱っていたんだけど……。
畠中: へ〜、さすが早いね!
Izmt: 早すぎて誰もついてこれなかったのか、バーゲンまでずっと売れ残っていたよ(苦笑)。とはいえTシャツの初期モノって全然出てこないんだよね。いま〈プロジェクトドラゴン〉だったり、東海岸の渋めのストリートブランドが高騰しているので西海岸のこの辺も買えなくなってきている気はするね。
畠中: “エクストララージ” “ヴィンテージ” “Tシャツ”でググると、大体XLサイズのTシャツが出てきちゃうのも、探すのが難しい理由の1つとだと思う。そもそもアメリカでは、あまり人気がないのかも。
Izmt: そういうの、あるよね。
畠中: あぁ、火が着いちゃうかも……。やっぱこれも売りたくないなぁ。
一同: (笑)。
Item03_Mont-bell T-Shirt

畠中: 続いては〈モンベル〉。日本を代表するアウトドアブランドなんだけど、デザイン云々よりもリーズナブルな値段が特徴じゃない? それが初期のモノだとこんなのが見つかるんだっていう。
中野: どことなく初期〈ACG〉の匂いもするね。タグもしっかり作られていて……ってこのロゴも初めて見たんだけど。

畠中: でしょ。タグに“Not Just Mountain Clothing”って記しちゃうような、このふざけた感じがたまらないよね。
Izmt: (笑)。それはヤバイね。
中野: これ年代はいつ頃なの?
Izmt: ブランド自体は70年代半ばからあったはずだよ。これはアメリカ市場を意識している感じじゃないのかな。シルエットにしろデザインにしろ、日本人向けの感じがあんまりしないし。
畠中: 確かにタグやプリントも全部英語で表記されてるし、その可能性もあるね。っていうか、これ本当に、ぼくらが知っているあの〈モンベル〉…だよね?
Izmt: ちなみに〈モンベル〉ってフランス語で美しい山って意味らしいよ。モントが山で、ベルが美しいだってさ。
中野: へ〜。じゃあ違うのかな、謎だなぁ。
Izmt: いや、あのモンベルでしょ(笑)
Item04_Death Valley T-Shirt

畠中: もう1枚は、これもアウトドア繋がりで、アメリカのデスヴァレーというナショナルパーク(国立公園)のお土産モノ。この手のTシャツって、大体はヘタウマっぽいイラストがプリントされていて田舎くさいんだけど、これはすごく洗練されている。プリントのサイズ感も〈シュプリーム〉のTシャツにでもありそうなボックスデザインで。その違和感が良くない?
中野: もはや、モダンアート感さえ漂っているというかね。これこそ普通に格好いいやつ。
畠中: しかもデッドストックだよ。これ以外にもナショナルパーク系の、それも洗練されたデザインのモノだけを厳選して集めているので、今回は何枚か出品する予定。
中野: これまでナショナルパークものといえば、タマ数の少ない〈チャンピオン〉ボディだったりに注目が集まっていたけど、こういうモダンなデザインとなると、さらに見つかりづらいかも。
Izmt: この手のジャンルのアイテムって、海外だとやっぱり大きいサイズが人気でその辺りから売れていくから、このLサイズでもデッドで残っていた説もあるね。
畠中: なるほどね。
Item05_The Bord Messege T-Shirt

畠中: 最後はみんな好きなアートTシャツ。“BUY ART NOT FOLLOWERS(フォロワーを買うのではなくアートを買え)”というのが、なんとも美術館らしい洒落の効いた1枚でしょ。これ自体は結構最近のなんだけど、シンプルにメッセージ性がいいなと思って選びました。あと今回の「ドレギュラーTシャツ展」のコンセプトがあって……なんだったっけ?
中野: “古着屋で、やっと見つけたTシャツは 誰かの良いねを期待しない 家まで待てず、すぐに着替えたワクワク感 恥ずかしいけど忘れたくもない”ね。
畠中: そうそう、そういうこと! このイベントのコンセプトにもたまたま通ずるモノがあったので、ちょっと紹介したいなと。
中野: とはいえ、このメッセージをマーチャンダイジングで使うところに矛盾を感じる部分はあるけどね(笑)。でもこれどこの美術館のだっけ? このデザイン自体は見覚えがあるけど……。
畠中: ロサンゼルスのダウンタウンにある現代美術館「ザ・ブロード」のだね。なので、もしかしたらいまでも同じ商品が買えるかもしれない。そんなリスクヘッジを込めてメチャクチャ安くしています(笑)
中野: このボディってIzmtくんが最近好きなやつだよね。薄手でテロテロしていて柔らかくって。
Izmt: そうそう。ソフトウェイトが1番良いよね。白は乳首の透けだけが気になるけれど、着心地は最高だし。海外のスケーターたちも汗をかくと暑いからってソフトウェイトを着ているね。〈アンタイヒーロー〉なんかもだいぶ前からそう。
畠中: なので、これが1番のオススメです!