このストラップにスマホを付けて、ニューヨークやパリの下水道の穴に垂らしてみたい。

ー そんな丸山さんが「ヨセミテモバイルストラップ」を手に入れたらどう使うんだろうというアイデアが気になり、お話を聞きに来たんです。さきほど、スマホカバーとの連結部分の耐久性を気にされてましたね。
丸山:肝心な時に壊れないかなという心配ですね。船の上とか、「え、まさかここで?」というような場面でジョイント部分が切れて困ることが実際にあるんですよ。不安定な場所で、スマホを片手に持って撮影することも多いので。
ー 取材って、実際にその場へ行ってみないと分からないことが多いですもんね。新しくなった「ヨセミテモバイルストラップ」は、高密度ナイロン製の独自開発したアタッチメントと、クライミングロープをもとにしたストラップを使用しているので、強度もしっかりしています。
丸山:自分のやり方として、その場でできるベスト、というよりもベターなやり方を目指す。そんなにタフなものを使えるなら、それを使ってどんな撮影ができるか試します。

ー たとえば、どのような撮影方法が思い浮かびますか?
丸山:このスマホが付いた「ヨセミテモバイルストラップ」を手に持って、ニューヨークやパリの下水道なんかのスマホが通るくらいの格子がはまっている隙間に垂らすと面白そうですね。あと少し手を伸ばせば撮れる、あと少し細ければ撮れる、というような場面で使えるでしょうね。
ー さっとスマホを出して撮影するようなこともあるのでしょうか? そんな時に、モバイルストラップは撮影までのアクションが早いんじゃないかなと…。丸山さんの場合、丁々発止のやり取りとか、瞬間が勝負だと思いますし。
丸山:おっしゃっている瞬間を切り取るというのはニュアンスとして分かりますが、僕の場合は自然に撮ることの方が重要なんです。なので、逆に目立たせることもあります。

ー さきほども普段使いなら黒を選ぶけど、派手な色もいいねと、多数ある中から目立つオレンジを選ばれましたよね。そして、ストラップを肩から斜めがけする人が多い中、丸山さんは迷わず首にかけました。
丸山:どう使うかによって選ぶ色もかけ方も変わると思うんですよね。たとえば、この〈カーハート〉のキーストラップは、香港のデモを取材した時に使ったものです。蛍光ベストが報道陣のユニフォームで、現地で買えるだろうとたかをくくって下見を始めたら、そのまま取材に流れ込んで用意できなかったことがあって。そんな時に、プレスのベスト代わりにしました。わざと目立つオレンジの色が役立つわけです。実際に警察に囲まれた時に、「プレス、プレス!」と言って、無事に逃れました。
ー 間違って撃たれないようにという、ある意味命綱のような使い方ですね。軍モノでも、オレンジはエマージェンシーカラーとして使われますし。
丸山:基本的に取材の際は、手ぶれ防止のためにハンディカムで撮ることが多いのですが、スマホで撮影する時もあるんです。あの通りの先に変な奴がいるなと思ったら、その通りの手前からスマホの動画アプリを立ち上げっ放しにして撮りながら近づいていく、なんてこともあります。いまやスマホのある風景が日常で、逆にスマホを持ってないことの方が非日常ですから。だから、わざと目立たせるために、こういうカラフルなストラップを身につけることもなしではないなと。

丸山:取材の時には、こうやって目立たせたスマホで撮っている間に、サブの携帯で隠し撮りすることもありますよ。わざとスマホを目立たせるときと目立たせないようにする時と、場合によって使い分けてます。
ー 取材中にはスマホで隠し撮りされることもあるんですね…!?
丸山:ムービーに見えるのに写真が撮れるアプリを使ったりとか、色々なテクニックがあります。他にも無音アプリはもちろん、ここでは言えないやり方も(笑)。正直なところ、撮ってしまえさすれば、後の交渉次第で掲載できることも多いんです。一番大事なのは、撮っていいかと堂々と聞くこと。ほとんどはそれで解決します。

YOSEMITE MOBILE STRAP ¥8,250 薄く張りのある高密度ナイロン製の「EPMスマートフォンアタッチメントシステム」を採用したことで、スマホが傷つきにくく、強度も十分。カラビナなどを取り付けられるレザー製フックパーツの使用用途を問うと、「ホテルの部屋の鍵かな。あとは、取材先に子供がいれば、キーホルダーを付けといて、お土産として渡しますね」と丸山さん。