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FASHION IN TURBULENT TIMESファッションにおける主観と客観。VOL.01
MONTHLY JOURNAL SEP. 2021

FASHION IN TURBULENT TIMES
ファッションにおける主観と客観。VOL.01

ますます細分化されていくファッションの世界。もはや絶対的な正解は存在せず、ひとそれぞれが自分の好き・嫌いを楽しむマイクロトレンド時代が到来しました。そんななかでのファッション特集、テーマは “主観” と “客観” です。いまフイナムが注目するブランドと、ショップバイヤーに聞く、ダイナミックなトレンド動向を一本ずつの記事にまとめます。まずは “主観” 編。今シーズン、日本に本格上陸した〈タイガ タカハシ(Taiga Takahashi)〉と3Dコンピューター・ニッティングという先進的な技術を駆使する〈シーエフシーエル(CFCL)〉を取り上げます。服づくりに対するアプローチは違えど、同じくらいの熱量でファッションと真摯に向き合う二つのブランドがいま浮き彫りにするものとは。

CFCL VOL.2 COLLECTION “KNIT-WARE”

2021年秋冬シーズンのコレクションは、ユニセックスアイテムとウィメンズアイテムを合わせて36品番からなる。ウール100パーセントのアイテムを除く、大部分の商品に「GRS認証」(グローバル・リサイクルド・スタンダード)の取れた再生繊維の素材を使用。

FACADE COAT シカゴの街並みに見られる近代的な高層ビルをインスピレーション源に、均一な窓ガラスが並ぶファサードを連想させるデザインの生地は、2種類の再生ポリエステルを使用。袋編みになった窓のようなパターンのうち、部分的に水に溶ける糸を使い製品を縫製後に洗うことにより生まれるテクスチャーがビルの硬質なハリのようにも見える。中綿仕様であたたかく、三段階に調整できるベルトループも。¥129,800(CFCL)

POTTERY KAFTAN 〈CFCL〉を象徴する丸みを帯びたシルエットのドレスとして名付けられた「POTTERY」。陶器や壺のような立体的な曲線が特徴。トルコの民族衣装に由来する「カフタン」は、スクエアカットの衿ぐりと、ボリュームたっぷりの袖口、重力に逆らわないドレープが美しい。¥59,400(CFCL)

COLUMN TOP 柱頭に渦巻状の飾りがあり、柱には縦方向の溝がデザインされている、およそ4000年前のイオニア式の柱から着想を得たという7ゲージニット。膨らみの強いポリエステルと再生ポリエステルをミックスして編み上げることで、構築的な印象を持ちながら、ニット本来の柔らかさがある。印象のコントラストによって「ニットの概念」を拡張している。¥40,700(CFCL)

TW MILAN JACKET, TW MILAN TAPERED PANTS 最小限のステッチで仕立てられ、テーラード特有の拘束感からも解放されるような一枚仕立てのジャケット。ラペルはあるが、ボタンはひとつで切り替えもミニマル。平面的なパターンによってリラックスした雰囲気をつくりながら、さまざまなオケージョンにフィットする。ジャケット ¥68,200、パンツ ¥50,600(CFCL)

GARTER MOCK NECK T モックネックのTシャツ。〈CFCL〉の中核である3Dコンピューター・ニッティングの技術を最もミニマルに感じることができる。ストレッチ性のある素材を採用し、袖のセンタークリースが構築的なシルエットを生み出している。写真は表裏。¥40,700(CFCL)

INFORMATION

Taiga Takahashi

Instagram:@taigatakahashi

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