KEYWORDS_05 職人がつくる、職人のためのユニフォーム。
入社すると社員証代わりにリングやブレスレットいったシルバーアクセが渡されるという「ティンバークルー」。そしてもうひとつ、会社から支給されるのは作業中に着るオリジナルのユニフォームです。
型数もかなり豊富で、定番のTシャツから、ロンTにスエット、パーカやデニム、コーチジャケット、エプロンまで。今後はセットアップも製作予定だそう。
粉塵を撒き散らしながら木を削り、塗料を塗るため、彼ら木材加工スタッフにとって作業着の汚れは、仕事の勲章ともいえます。しかし、施工先に出向く際にはせめてもの正装を、と製作されたのが既存のボディにプリントを施したTシャツです。その一着を皮切りに、徐々にアイテム数が増えていったそう。スタッフ自ら考案しているだけあり、どのユニフォームも作業シーンを想定したディテールに仕上がっています。
「生地選び、パターン、ボタン……。細かいデザインも大事ですが、機能性も重視しています。コーチジャケットなら裾の絞り、スエットなら手が動かしやすいようにセットインスリーブ。フロントポケットに木屑が入りやすいエプロンは、スリットを入れて内側のポケットにアクセスできるようにするなど、かなりこだわってつくってます」
バーカウンターを設置して自由にお酒が飲めるようにするのも、オリジナルのユニフォームをつくるのも、すべては遊びの延長にあります。
「ユニフォームをつくる時、ボタンに『ティンバークルー』って入れようってことになったんですね。でも、ボタンはロット数が多いじゃないですか。それで、代表に『これ、もったいないからどうします?』って聞くと、『遊びでも中途半端にするな。本気でやれ』って言われました。余ってもなにかに使えるだろって」
「ほとんど市場に出回ることのない屋久杉が出たときも、とりあえず買っちゃうんです。使い道も決まってないのに(笑)。でも、それがいつか仕事で活かせるかもしれない」
自分たちがカッコいい、欲しいと思うものを真剣につくる。そんな姿勢に共鳴するデザイナーが多いからこそ、「ティンバークルー」はアパレルや飲食店といった、こだわりの強い店舗から仕事を任せられているのです。