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Retreat for tomorrow. Vol.2三拠点生活がもたらした移動そのものに見出すリトリート。
MONTHLY JOURNAL Jan. 2022

Retreat for tomorrow. Vol.2
三拠点生活がもたらした
移動そのものに見出すリトリート。

日常から離れ、自分の心とカラダと向き合う「リトリート」。横文字だとちょっとお飾り感が強い言葉ではありますが、要は休息してリフレッシュするということ。つまりは、せわしなく生きる現代人にとってはとても重要なことなのです。今回は、東京〜御代田〜伊那谷という三拠点生活を送る編集者・プランナーの村松亮さんに、その暮らしぶりがどのように心身に作用しているのか、そしてリトリートに必要なことを一緒に考えてもらいました。

  • Photo_noru journal/ 住まいnet信州 / Ryo Muramatsu
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Ryo Komuta

クリエイターが集まる場所、御代田。

御代田にあるご自宅。

村松:僕は東京に仕事の拠点を置くということをやっぱり諦めたくなかったので、東京にアクセスしやすい場所に家族みんなで移ろうということで、色々と長野とか山梨とか神奈川も一年くらいかけて調べて見に行ったんですけど、なかなかピンとくる土地やコミュニティには出会えずにいたんです。そんなとき、たまたま見つけたのが御代田という軽井沢の隣町。人口一万五千人くらいの規模だけど、軽井沢も近くて新幹線の駅が車で20、30分のところに2箇所もある。東京にも行きやすいし、浅間山が近くて自然も豊か。数年前から、都心からクリエイターの人たちが移住し始めた土地でもあったんです。

ー クリエイターが御代田に集まってきているという記事は読んだことがあります。

村松:その理由の一つとしては、軽井沢に「風越学園」という新しい学校ができたり、佐久穂町にイエナプラン教育というオランダの教育方針に則った「大日向小学校」というすごく先進的な学校ができたことも大きいようです。もともと軽井沢にも「森のようちえん」がありましたし、子どもの教育の選択幅が大きい。信州自体が教育に力を入れていることもあって、教育移住者が増えたんだと思いますね。

村松:ここだったら東京にも通いやすいし、いいんじゃないかってことになったんですが、伊那谷に作った家も無計画に作ったものとはいえ、もったいないし、伊那谷に名残惜しさもすごく感じていたので、自分たちの体力が続く限りは伊那谷の家も残して、御代田にも拠点を持って、逆に東京のアパートはもうなくそうと。でも東京には自分の会社があるから、働きに来て、滞在するときは、安いビジネスホテルに泊まったりしています。ということで元々は二拠点だけど、図らずも三拠点になりました。

御代田のご自宅の庭に建てたゲル。

ー 三拠点をどのようにして暮らし分けていますか?

村松:伊那谷の方は、厳しい部分も含めて自然と向き合うような場所。御代田は、位置的にも、暮らしぶりとしても、東京と伊那谷の間くらいのエリアで、程よく街なんです。それで東京に出稼ぎに行っている感覚です。御代田をベースに暮らして、週3くらいで東京で働き、隔週ぐらいで伊那谷に通っています。東京〜御代田は、新幹線で移動します。今使っている佐久平駅であれば、東京まで1時間少しとあっという間です。

村松:新幹線の移動中は仕事もできるし、眠たければ眠れます。一方、車の方が交通費は高いんですが、ある意味、完全にオフラインになれる唯一の時間。スマホに触ることもなく、ポッドキャストや音楽を聴いたりできる。たまに車で往復すると、6〜7時間はかかるんですが、その時間はむしろ贅沢だなと。

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