コロナ禍での開催。例年との違いは?
榎本:ふたりは東京マラソンを走ったのは今回で何回目? ぼくはかれこれ4回目です。
AQ:ぼくは2回目です。前回は2019年。あいにくの雨で凍えるほどの寒さでしたが、沿道の声援が凄まじく、「これが東京マラソンかー!」と感動しながら走ったのをおぼえています。
山本:ぼくも2回目。この大会は、沿道の声援を受けながら、東京のど真ん中を走れるのが魅力ですよね。東京はぼくらにとって地元であり、ランニング仲間が応援に駆け付けてくれるのもうれしいです。
AQ:ただ、今回はコロナ禍での開催ということで、応援の自粛が呼びかけられたため、沿道の人はまばら。例年に比べると静かな印象でした。

榎本:たしかに沿道は例年よりも静かでしたね。でも個人的には、静けさのなかにも熱量を感じるシーンが多々あって。声を出さずに必死に拍手でエールを送ってくれる人とか、手書きの応援メッセージを掲げるボランティアの方とか。コロナ禍で大きな声を出しづらい状況でも、自分たちなりに工夫してこの大会を盛り上げようとする姿を見て、なんだかグッと来ました。


AQ:同感です。これまでの東京マラソンのようなお祭り騒ぎとは違った、静かな盛り上がりを感じました。
山本:コース上には折り返しの箇所も多く、折り返すたびに知り合いのランナーとすれ違えるのも楽しい。今回もたくさんの知り合いとすれ違いました。マラソンは基本的に孤独なスポーツですが、知り合いに会うと元気が出ますね。
榎本:すれ違ったといえば、今回キプチョゲとすれ違ったよ。知り合いじゃないけど(笑)。
山本:キプチョゲ、今回出場していましたね。
榎本:レースの中盤あたりだったかな。中継車や白バイが対向車線から向かってきたので、「これはもしや」と思って、足を止めて、しばらく待機。そうしたら案の定、キプチョゲが颯爽と走ってきた!
AQ:おお。それはテンション上がりますね。
榎本:初めて生で見るキプチョゲの走りは、震えるほど美しかった。それが個人的には今回の東京マラソンのいちばんのハイライトだったかな。

名実ともに世界最速の現役マラソンランナー、エリウド・キプチョゲ。今回の東京マラソンでも見事優勝。タイムは2時間02分40秒!
山本:例年との違いで言えば、今回はコロナ禍での開催ということで、ぼくらランナーにとっては当日に至るまでの準備がいろいろとありました。体調管理アプリへの健康状態の入力とか、受付の際のPCR検査とか。

東京ビッグサイトのランナー受付会場。ソーシャルディスタンスの確保やこまめな手指の消毒など感染対策が徹底されていた。

今回の大会に参加するランナーは受付時のPCR検査が必須。
AQ:ランナーに求められることは少なくなかったですね。レース前後を含め、感染対策は徹底されていたと思います。