
PROFILE
宮城県出身。2020年より〈レッドウィング〉の業務に加え、ベイクルーズではPR業務とバイイングを兼任している。
Instagram:@as71022
適正な価格でブーツをお客さまの手に届けたい。
ー 「UPCYCLE PROJECT」とは、一体どんな取り組みなのか教えてください。

阿部:〈レッドウィング〉は創業当時から変わらないものづくりをしていて、むかしからの製法を頑なにずっと守ってきました。というのも、何度でも修理をして繰り返し履けるようなつくりになっているんです。今回のプロジェクトは、そうした前提をもとにスタートさせました。履かなくなったブーツを蘇らせて、新しい価値を加える。そうやって〈レッドウィング〉が本来持っているサステナビリティをみなさんに伝えたいと思ってはじまったんです。
2020年にパンデミックが起こって以来、アメリカにある工場の稼働率が大きくダウンしてしまいました。それによってもともと生産していた80品番のうち、いまは9品番しかつくれていない。しかも、その供給状態も安定しているとはまだ言えません。一部ではプレミア価格でブーツが取引されているという話も耳にしています。そうした状況をぼくたちは良しとしていなくて、手持ちの〈レッドウィング〉を長く愛用してもらったり、適正な価格でブーツをお客さまの手に届けたいという気持ちがあるんです。

ー パンデミックによって、工場で職人たちが働けなくなってしまったと。
阿部:そうですね。人材が不足しているんです。それに関わっているパーツ工場なども同じ状況で、部品の供給も追いついておらず、100%の稼働にはまだ程遠い状態なんです。
ー だからこそ、2次流通で高くなっているブーツを新しく買うのではなく、下駄箱で眠っているアイテムをリペアして履いて欲しいと。
阿部:もともとお持ちだった方には是非そうしていただきたいです。靴の修理屋さんたちは〈レッドウィング〉のワークブーツがくるとよろこぶそうなんですよ。修理がすごくしやすい構造で、なおかつそのクオリティも担保しやすいからなんです。そうしたブーツの魅力を再度発信したいという想いがこのプロジェクトの根底にあります。