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進化と深化。ユニクロの定番品のすごみとは。
Evolution and Deepening

進化と深化。ユニクロの定番品のすごみとは。

Tシャツ、ポロシャツ、チノショーツ、デニム。〈ユニクロ〉の定番品たるこれらのアイテムは、実は毎年と言っていいくらい、細かなところを含めてアップデートし続けている。その変化を知る人は多くはないだろうし、気の向くままでもファッションは楽しい。でも、服の裏側を知ることはファッションをより楽しむための補助線になり得る。なぜこの新しい定番品がいいのか、そしていいと感じるのか、その秘密に迫る。

  • Photo_Keisuke Kitamura
  • Styling_Masaaki Ida
  • Hair&Make_Emori Miho(KiKi inc.)
  • Model_Takumi Nishimura
  • Text&Edit_Shinri Kobayashi
  • Edit_Ryo Komuta

タフ、風合い、ディテールという三拍子揃ったチノショーツ。

〈ユニクロ〉チノショーツ ¥1,990、シャツ ¥2,990、Tシャツ ¥1,500、サンダル ¥2,990(すべてユニクロ) 、その他(スタイリスト私物)

Standard item 03
ユニクロ チノショーツ

チノショーツやチノパンツは、元々白くて目立ってしまい、汚れやすかったイギリス陸軍のパンツを土色に染めたのが起源とされる。つまりはミリタリーアイテムであり、古着の一大ジャンルとして“本物”がたくさん残っているからこそ、作るにはなかなかハードルが高い代物だ。

高いハードルの一つとして、生地感がある。肉眼で見たときの生地の良し悪しは、そのチノショーツの評価を左右する。その塩梅を、この本格チノショートパンツはよくわかっているようで、穿きこんだヴィンテージ感のある風合いと色合いが融合している。そのために、生地段階で染める「生地染め」ではなく、縫製後に製品ごと染色する「製品染め」を採用した。

さらに、縮みに強く耐久性にも優れた製品にするために、縫製糸にはポリエステル糸を使用。この糸は綿染料では染まらないので、あらかじめ着色したものを使っているが、もちろん仕上がったときに糸と生地がお互い馴染むように、きめ細やかな調整が施されている。

チノの好事家も認めるくらい、チノのルーツをリスペクトしたディテールにも注目してほしい。

バックポケットの両玉縁仕上げ、ポケットを補強するダブルステッチ、腰裏面の布端のパイピング、股下の縫製など、チノパンツならではの伝統的なディテールが、本物感を醸す。細部には神が宿るってやつだ。

モダンな要素も取り入れられている。オーバーサイズに履けば膝ちょい下、ジャストサイズで履けば膝の真ん中という最適なレングスのほか、太もも周りから裾幅までゆとりをもたせたシルエットにすることで、程よくカジュアルな仕上がりになった。

ミリタリー好きをも唸らせるものを目指そう、と実際に〈ユニクロ〉が考えたかはわからないけど、それくらいの意気込みが感じられるのは確かだ。

INFORMATION

ユニクロ

公式サイト

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