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奥深きレギュラーTシャツの世界3。
Dig It Regular T-Shirt

奥深きレギュラーTシャツの世界3。

古着の楽しみ方は人それぞれではありますが、“年代”や“希少性”といった既存の価値観に捉われることなく“それをどう楽しむのか?”という視点が重要となるのが、レギュラー古着と呼ばれるカテゴリーです。このたび、その象徴たるレギュラーTシャツにフォーカスした古着イベント「ドレギュラーTシャツ展」が3度目のカムバック! そこで前回と前々回同様、同イベントを主催する「ドゥージョー(dojoe)」の中野さん、「ウェーバー(weber)」の畠中さん、「アノラック(AnoLuck)」のizmtさんの3名を緊急招集。各々がイベントに出品するTシャツから“ひとつかみ”した推しアイテムの見所、そしてレギュラーTシャツの楽しみ方について語って頂きました。少々長めではありますが、どうぞお付き合いください!

知的なスケート、小洒落てて、上野系、そしてスマガツオ。

Selected by weber
Item01_ T-Shirt

畠中:では続いて、ぼくのターン。1発目は〈アルファヌメリック (ALPHANUMERIC)〉を紹介したいと思います。個人的には〈ナイキ(NIKE)〉のダンクSBのイメージが強く残っているんですが、アパレルはあまりチェックしていなかったなぁと思って調べてみたら、実は知的なスケートブランドと分かって。

ー どういうことですか?

畠中:ブランド名は、アルファが文字、ヌメリックが言語を意味していて、“人は文字と言語を使って交流しそれらを使って契機を作る”ということに由来するとか。これなんかも胸に=と小さくto allの文字があり、多分“全ては平等だ”という意味ですかね。背面裾にも数学記号とmath is Power(数学は力だ)とプリントされていますし、スケートブランドだけどすごく知的なアプローチでおもしろいなって。

中野:この頃って、それまでアンダーグラウンド感があったスケートカルチャーがポップな方向に向かって、マスな雰囲気が出てきた時代だったよね。

畠中:そうそう、それにここはAD(広告)も格好いいんだよね。学校の教室でスケーターたちが授業を受けていたり、卒業アルバム風の集合写真だったりすごく洒落ていて。個人的にはもっと評価されてもイイんじゃないかなと。

Izmt:90年代後半から00年代だから、ちょうど一樹くんと一緒にスケボーやってた時期だね。当時はコレジャナイ感があって着ていなかったし、いまもリアルタイムすぎて掘るという発想はなかったけど、たしかにおもしろいかも。

畠中:たしかに同世代ほど意外と通ってなかったりするのかも。今回はこの辺も集めたのでお楽しみに。

Item02_ Yves Monta T-Shirt

畠中:次は、ちょっとラリー・クラーク的構図がクールなこちら。

ー サザンオールスターズの桑田佳祐粉する夷撫悶汰が、スタンダードジャズの名曲を歌うコンサートを行った際のマーチャンダイズとは、かなり珍しいですね。

畠中:ですね。まぁ、製作者がラリー・クラークを意図しているかどうかは分かりませんが(笑)。

中野:実際、コレと〈シュプリーム(SUPREME)〉だとどっちが先なの?

Izmt:それでいえば90年代前半の〈ファクト(FUCT)〉が最初じゃない? ネットで調べると、コンサートが開催されたのは1996年だから、そこから影響受けてのコレだとしたら相当センスがいいよね。

中野:シルクじゃなくて転写だけど、プリントの配置バランスも絶妙だし。いくら?

畠中:4000円かな。

ー 10枚位あっても即完売しそうですね。

畠中:じゃあ、4100円、いや4400円で(笑)。

Item03_ Credit card Parody T-Shirt

畠中:企業モノを探す内に「クレジットカード会社のグラフィックって色んなブランドがサンプリングしているよなぁ」と探してはみたものの、気が利いたデザインだとドレギュラー的プライスには到底収まらず……。そこで見つけたのがパロディモチーフ。1つは多分、スノボブランドの〈バートン(BURTON)〉のモノで、フロントにカード、背中に利用明細書がプリントされています。

中野:普通に洒落ているし、アメリカっぽいよね。多分2000年代位かなぁ。

畠中:もう1枚はマスターカードが“ミスターハード”に。“世界中の女を全部受け入れるぜ”という意味合いのメッセージが入っているんだけど、ミスターハードって……。

中野:なんだろコレ? それこそお土産モノなのかな。

Izmt:アメ横とかで売ってそう。これは言わば“上野系”だね。

畠中:(笑)。マスターカードだと思いきや、実はミスターハードってなると、かなり恥をかくと思うので、ご購入の際はその点も理解した上でお願いします。

ー どんな人が買うのか楽しみですね。

畠中:「我こそは!」というDTのお客様にぜひ(笑)。

Item04_ Logo T-Shirt

畠中:最後は、なんでもないロゴものなんですが……スマガツオって知ってますか?

中野:唐突に何を言い出すの?

畠中:この前、定食屋で「すごくレアなカツオが入ったよ」と言われて出てきたのが、そのスマガツオだったんだけど、全身がマグロでいうところのトロ状態で数百匹に1匹という確率で上がるらしくてさ。そこで「ドレギュラーTシャツにおける“スマガツオ”って何だろう?」と考えてみたんだよね。

ー その答えがロゴもの?

畠中:そうです。ちょっと探せばロゴものなんていくらでも見つかるんですが、サイズ感やプリントの雰囲気や配置など、意外と探し出すとグッとくるモノが少ないっていう。

中野:なるほどね。そう考えると、こっちの〈ナイキ〉もハンガリーボディーだったり裾にスウッシュが入っていたり“ちょっと”珍しいね。〈ティンバーランド(Timberland)〉の方も、霜降りボディでこの大きさのロゴはっていうのがあまり見かけないし、またこのタグが……。

Izmt:後付けが、メチャクチャ下手だね(笑)。

畠中:オールド〈ステューシー(STUSSY)〉感というか。

中野:もしくは〈アンダーカバー(UNDERCOVER)〉や〈グッドイナフ(GOODENOUGH)〉感とも(笑)。

畠中:タグは全然気にしてなかったんだけど、さすが中野くん見てるねぇ! 実際このスマガツオ的Tシャツも2匹しか見つからず(笑)。そんなわけで今回は売れ残りたくないので、とにかく分かりやすい方向でまとめてみました。

INFORMATION

ドレギュラーTシャツ展Ⅲ そして伝説へ…

会期:4月29日(金)〜4月30日(土)
場所:dojoe
住所:東京都渋谷区元代々木町9-8
電話:03-6884-2425
dojoe-tokyo.com

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