“食”に対して考えを巡らせるいいきっかけ。

この日収穫するのはナス、白ナス、ピーマンとカボチャ。畑に到着すると、色川さんの説明を受けてからさっそく収穫をスタートします。



こちらはナスと白ナスの収穫の様子。わずか2ヶ月でこんなに大きく瑞々しいナスに成長するとは、植物の生命力、大地の恵みの強さを実感します。子供達もハサミの使い方を教わり、収穫のお手伝いをしてくれました。


そしてピーマンも大人のこぶしほどの大きさに。瑞々しさを物語るような鮮やかな緑色が見事です。炒めたりサラダにするのももちろんおいしそうですが、そのままガブッと齧り付きたくなります。

自分が育てた野菜が収穫されていく様子をうれしそうに眺める色川さん。「カングーファーム」の土壌は今回収穫する野菜たちと相性がいいようで、「よく育った」と満面の笑みを浮かべます。
「天気や気候、土の中にいる微生物や虫など、環境の中にさまざまな要因があって、そうした要素たちが組み合わさって畑ができるんです。そうした土壌と相性のいい野菜やそうじゃない野菜というのがあって、手探りでそれを育てていくのがおもしろい。それに、やったらやったぶんだけ収穫できるのもうれしいじゃないですか。それがぼくが農業にハマったいちばんの理由なんです。すごく楽しいですね」


比較的見つけやすいナスやピーマンとちがって、カボチャは生い茂る葉っぱの中に隠れているので、どこか宝探し感があるのがおもしろい。大小さまざまなサイズがある中、葉っぱをかき分けて大きなカボチャを探していました。

小ぶりな実に濃厚な味が詰まった坊ちゃんカボチャも収穫できて、みなさんご満悦の様子。中にはこんなにたくさんの野菜を収穫した人も。これだけの量を食べれば夏バテもどこかへ飛んでいきそうです。

この日は運良くキュウリも収穫できました。一晩で成長するというキュウリも、こんな大きさに。採ってそのまま齧り付いていた女の子。味の感想をたずねると、「りんごジュースの味がする!」とのこと(笑)。笑顔で野菜を食べる姿に、その場にいる人たちがみんな惚れ惚れとしていました。採れたての味はさぞかしいおいしいことでしょう。

みんなで収穫を終えた後は、次の収穫に向けて「カングー」の荷台に積まれたたくさんの苗をみんなで手分けして植えていきます。今回用意したのは水ナスとナスの苗でした。


大人と子供たちが一緒に手を取り合って苗を植える光景は、とても微笑ましいものでした。収穫から苗を植えまでの作業は、普段何気なく食べている野菜がどのように生まれるのかを知るいい機会でもあります。子供たちにとってはもちろん、大人である自分たちも“食”に対して考えを巡らせるきっかけとなりました。

ちなみにこちらは色川さんが監修してつくった「カングーファーム」オリジナルのコンポストバッグ。家庭で出た生ゴミを分解・熟成させて堆肥をつくるというもの。コロナ禍以降、新しいライフスタイルが生まれ、家庭菜園に力を注ぐ人も増えてきました。ゴミをゴミとして捨てるのではなく、堆肥として再利用して、野菜や植物を育ててみるのはどうでしょう? そこでまた新しい循環が生まれ、地球にとって優しい生き方ができるはず。
「カバンになっているので、キャンプなどに持っていくのもおすすめです」とは色川さんの言葉。このバッグを「カングー」の荷台に積んでキャンプに出かけ、生ゴミをそのままコンポストするのもよさそうです。