蒸留家でもありファーマーな日々。
瀬木さんの一日はとても忙しい。なにせ一人なので、やることが山のようにあるのです。取材班がお邪魔したのは蒸溜所の稼働前のタイミングだったので酒の仕込み作業こそなかったのですが、朝早くからハーブを積み、積んだハーブを乾燥させ、事務仕事をし、機械のメンテナンス、薪割り、今度は自宅の畑で野菜の収穫、と休むことなく動いていました。でもなんだか楽しそう。

何年手をつけてないのかというほどの荒れ方だったという耕作放棄地を、自ら開墾して美しいハーブ園に仕上げました。


約20種類くらいのハーブや花を自家栽培しているそうです。収穫されたハーブや花は乾燥させ、風味や色づけに使われます。
瀬木さんは蒸留家である以前にファーマーでもあります。クラフトジンの定義に明確なものはなく、小規模な蒸溜所で造られる個性的なジンのことを指すのですが、大きな特徴としてはその土地特有のボタニカルを使って味の個性を出すことにあります。まさに土地の味。「おもに売っていなかったり、買うと高くなってしまうハーブを栽培しています。例えばホーリーバジル。買うとものすごく高いから、大量に育ててこんなに贅沢に使っている蒸留所はないと思います」

ホーリーバジル、カモミール、バジル、レモンバームなど季節ごとのハーブがブレンドされ、YAMATOUMIの味になります。

事務作業をするスペースが野尻湖を望む最高の眺め!「蒸留室での作業って集中しているから気にならないんですけど、事務作業にこそいい景色が必要だと思ったんです」