レッツ フィッシング!!



平野さんのレクチャーを受け、それぞれボートに乗り込んでポイントへ向かいます。手際のいい平野さん、そして村岡さんと中村さんも慣れないながらも、木にロープを括りつけてなんとかボートを固定。さぁ、ここからが本番です。

平野:まずは竿。今回用意したのは16尺(約4.8メートル※1尺=約30センチ)のもの。リールがないし、いつも使ってる竿より長く感じると思うけど頑張ってやってみて。
中村:仕掛けをつくったあとは餌づくりか。どれくらいの大きさでどれくらいの硬さで付ければいいのか、塩梅が難しいなあ。
平野:みんな最初は上手くいかないから、繰り返しやって覚えてる。“餌3年”って言葉もあるみたいだしね。
村岡:竿が長いから、餌を付けたのはいいけど、振り込みが安定しないな。餌を落とせば魚が寄ってくるのは分かってるんだけど、なかなか思うようにいかない。あっ、また糸が絡まっちゃった…。



中村:餌が大きすぎるとウキが全部沈むし、柔らかすぎるとすぐ落ちちゃう。こんなんで本当に今日釣れるのか不安になってきた(笑)。
村岡:さっきからずっと糸解きしかしてない気がするし…。
平野:いやぁ、今日は二人を連れて来られて嬉しいな。
へらぶな釣りの洗礼を真正面から受ける二人。そして、それを楽しそうに見ている平野さん。魚の習性はもちろん、その日の水を見て、気温を見て、竿、餌をどう使いこなせばいいのかを常に考えていないと、へらぶな釣りは成立しません。つまり、それだけゲーム性が高いということ。さて、そうこうしているうちに2時間が経過。撮影も折り返し地点です。3人は残り半分でアタリを引き当てることはできるのでしょうか。

へらぶな釣り初心者とはいえ、渓流釣りやフライフィッシングなど、釣りの経験値は高い二人。次第に、数回に一度は理想のポイントに餌が落ちて、ウキがゆっくり沈んで、いいところで目盛りが止まるようになってきました。
平野:二人ともだいぶ慣れてきたね。これを何度も繰り返しているとアタリが来るかも!
村岡:なるほど。根比べだな。
中村:水中が見えないから、手の感覚だけが頼りだなー。
平野:自分が狙ってるタナ(泳層)にへらぶなを寄せて安心させてから食わせるイメージ。それが分かるともっと楽しくなってくるよ。それと、へらぶなは回遊魚でずっと同じところをぐるぐる周ってるから、自分がここを拠点に釣ると決めたら、あまり移動はしないかな。


村岡:少しずつ仕組みが分かってきた気がする。
中村:アタリの感触もなんとなく掴めてきたかも。
餌を付けて振り込んで、先端まで沈んだウキのトップが、バラケエサが溶けるに従ってじわじわとゆっくり水面に戻ってくる。もし、ウキのトップがスッとすぐに浮き上がってくるようなら、餌を強めに握り付ければいいし、逆に強すぎるといつまでもトップが水面下から出てこないなんてことも。こんな感じで、振り込みを繰り返すうちに、ウキに何かしらの動きが出てきます。ふわふわと小さく上下する動きはサワリといって、ヘラブナが近くに来てハリスに触れている合図。ウキが沈むスピードがゆっくりになるのも同じです。なんだか、そろそろアタリが来そうな予感…。