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FES.! FES.!! FES.!!! Vol.02ぼくらの行きたい3つのフェス
MONTHLY JOURNAL MAY 2023

FES.! FES.!! FES.!!! Vol.02
ぼくらの行きたい3つのフェス

vol1で紹介した通り、フェスは音楽だけでなく、少し遠出してその土地や空間も含めて楽しむのが醍醐味。vol2では、そんな風に楽しめる、ぼくらの行きたい3つのフェスを紹介します。フェスと聞いて多くの人がイメージする「FUJI ROCK FESTIVAL」、昨年新たに福島で産声を上げた「LIVE AZUMA」、インディペンデントなスタイルで注目の「岩壁音楽祭」。個性がバラバラな3つのフェスは、どんな思いを込めて、そのスタイルができたのでしょうか。

  • Photo_Uchutaishi☆Star(FUJI ROCK FESTIVAL)、Tetsuya Yamakawa, Ito Kaoru, Riei Nakagawara(LIVE AZUMA)、Daikichi Kawazumi, Ryusei Kashiwakura, Ryuki Takano(GAMPEKI MUSIC FESTIVAL)
  • Edit_Yusuke SuzukiShuhei WakiyamaSoma Takeda

FES.01:FUJI ROCK FESTIVAL 森林に音が鳴り響く、非日常的な体験を。

フイナムの注目ポイント

①野外フェスの先駆け的存在。
②大自然の中で音楽+αの非日常体験。
③圧巻のラインナップと先見の明。

今年で26回目の開催を迎える「フジロックフェスティバル(以下、フジロック)」。「イギリスの『グラストンベリー・フェスティバル』のようなフェスカルチャーを日本にも根付かせたい」という想いでスタートし、日本で開催される野外フェスの基盤を確立した、日本を代表するフェスのひとつです。初回の開催は1997年の夏。台風直撃のなか「富士天神山スキー場(現ふじてんスノーリゾート)」で開催し、翌年は豊洲の「東京ベイサイドスクエア」へ。その翌年の1999年以降は現在の開催地、新潟県湯沢町の「苗場スキー場」へと会場を移しました。

夏のスキー場で行われるこのフェスを一言で表すと、非日常。賑やかな装飾が施された緑豊かな空間に人が溢れ、朝から深夜まで各々が好きなように過ごしています。ライブで火照った体を水浴びで冷やし、100店舗近い飲食店に胃袋を掴まれ、夜間のステージやキャンプサイトで夜更かしし、サーカス団を眺めてドキドキハラハラ。音楽だけでなく、場を楽しめる工夫と魔力がこの場所には詰まっています。現地でしか味わえない会場の空気こそが一番の醍醐味なんです。

出演者に名を連ねるのは、国内外問わず、若手から大物まで多彩な豪華アーティスト陣。海外アーティストの招聘〜コンサート制作を行うプロモーターの「スマッシュ」が主催しているからこそのラインナップです。しかし、それだけで終わらせないのも面白いところ。新人アーティストの登竜門と呼ばれる「ROOKIE A GO-GO」で、公募による次世代発掘を行うところに懐の深さが感じられます。誰もが耳にしたことのある、くるり、女王蜂、King Gnu、ASIAN KUNG-FU GENERATIONといった面々から、踊ってばかりの国、cero、GEZAN、CHAI、SAKE ROCKといった独自の活動が魅力のバンド、ライブ活動休止しているD.A.N.、Suchmos、THE OTOGIBANASHI’Sも、「フジロック」はみんなここからのスタートでした。

今年のヘッドライナーには、The Strokes、Foo Fighters、Lizzoの3組が発表されました。2022年は全9ステージ、約160組のアーティストと、コロナ禍前に比べると減少しましたが、5類感染症へと移行した今年は期待してもいいのかもしれません。ただ、初めて訪れるという人は、雨と寒さ対策だけは万全にして行ってください。普段は味わえないような自然の恩恵を直に受けつつ、非日常の音楽体験をしてこそ「フジロック」ですから。

ークラブやライブハウスと違い、フェスならではの面白さや醍醐味はたくさんあると思います。その中で「フジロック」がフェスとして特に秀でている部分を3つ挙げてください。

特に秀でている、とするかはお客さまが決められることだと思いますが、誇れるとすれば、参加されるお客さんの本気の笑顔、苗場という大自然がもたらしてくれる開放感、海外アーティストから出演のオファーが来たり、海外メディアでのランキング上位にあったりと、海外からの評価も高い点です。

ー過去に開催してきた中で、特に記憶に残っている出来事を3つ教えてください。

出来事ではないですが、会場での瞬間を切り取ったなんでもないような光景は、不思議と浮かんできます。

①2017年にヘッドライナーを務めたAphex Twinが夜の大雨の中、グリーンステージから3万人のお客さんに対していまのメインストリームでは考えられないような、前衛的な電子音を届けていたことはかなり印象に残っていて、Aphex Twinのファンであろうがなかろうが、なんだったんだあれは?! というようにさまざまな形で当時の来場者の記憶に残っているのではないでしょうか?

②これも出来事とは呼べないですが、駐車整理のスタッフさんの中に必ず1人、誘導のモーションがダンスしているくらいスムーズな方がいます。多分例年同じ方なんだと思うんですが、誰かその方を知っていたら名前を教えてください。もし見かけたらソフトドリンクを差し入れしたいと思います。

③天候も含めて、予定調和にはならないのがフジロックですが、バックステージでもさまざまなことが起こっています。知りたかったら、一緒に働きましょう。

ーおすすめの楽しみ方はありますか?

都会から離れた大自然の中で、おいしいゴハン・お酒と、世界中の素敵な音楽が広い場内あちこちから聞こえてきて、音楽以外にもアートや映画、サーカスなどさまざまなアクティビティも楽しめる3日間(前夜祭をいれると4日間)。選択肢はたくさんあるので、ご自身の感覚に誘われるままに楽しんでください。

ー参考にした海外のイベントやフェスなどはありますでしょうか?

イギリスのグラストンベリー・フェスティバルです。

ーオファーするアーティストを決めるポイントを知りたいです。

海外のアクトに関しては、現行の世界の様々な音楽シーンに見識があるスタッフが選りすぐったアーティストを並べて、お客さんの目線からどうゆう体験になってほしいかをいろんな角度から時間をかけて話し合い、時には平和に決めています。サイコロを振って決められる世界だったらいいのですけどね。

ー開催するにあたって大変なこと・苦労するポイントを教えてください。

ラインナップ、最初に描いた通りにはなかなか決まってくれず大変です。それでも、中には思いがけないアーティストから出演依頼をもらうこともあるので、ハプニングを楽しんでいる部分もあります。

ー遊びにくる方へのメッセージをお願いします。

最高の夏休みを保証します。

FUJI ROCK FESTIVAL ’23
日程:2023年7月28日(金)、29日(土)、30日(日)
場所:苗場スキー場
住所:新潟県南魚沼郡湯沢町三国202
前夜祭:7月27日(木)
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