自転車で気ままに立ち寄りたい場所がある。

PROFILE
さまざまなサブカルチャーを感じさせる作品を、イラストやコラージュなどの手法を用いて制作する。過去にはBeastie BoysのTシャツやオフィシャルグッズなどのデザインも手掛けた。
Instagram:@naijelgraph
―ナイジェルグラフさんはどんな風にチルしてますか?
日光を浴びながら自転車でゆっくり走っていますね。アーティストやデザイナーって、部屋の中に籠って制作する人が多いと思うんですけど、自分も夜につくり始めたりして時間がめちゃくちゃになってしまう。そうやってずっと日の光を浴びないでいると、なってしまう病気があるらしいんです。自分も調子が悪いときがあって、大人になって気付きましたが、やっぱり日の光を浴びることは大事ですね。
―普段から自転車移動が多いのでしょうか?
電車はあまり乗らずに、自転車か車移動が多いです。でも、この季節はやっぱり自転車が最高ですね。この自転車は、弟から貰ったか買ってもらった「T19」というスケートチームのもので、気に入っていてずっと乗っています。フラッと知り合いの店やギャラリーにも寄れる自由さが自転車の良さ。仕事帰りなどに散歩気分でゆっくり走ると、気分がいいですね。


ー今日訪れたカフェとギャラリーは、二つともナイジェルさんが自転車でフラッと立ち寄るチルスポットということですね。
はい。自分のスタジオが近いので、友達が来たときなども大体この「パーラーズ(Parlors)」に来てコーヒーを飲んでいます。仲のいいオーナーがやっているお店で、店内に自分の作品もたくさん飾ってもらっています。この外の席がお気に入りなんですけど、人気なのでなかなか座れないんですよ(笑)。


―今日着ているアイテムも、リラックスタイムに何気なく着ているものですか?
そうですね。スニーカーは、〈ヴァンズ(VANS)〉とア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)のコラボです。スエットは、〈ホール アンド ホーランド(Holl and Holland)〉というレーベルもので、MOMAをサンプリングしています。元々ヒップホップのカルチャーが好きなので、サンプリングや自分の好きなアーティストやルーツにまつわるアイテムを身に纏うというのは、やっぱりテンションが上がりますね。

―ギャラリーの方はどんな場所ですか?
「TRINE GALLERY」は2001年に、人生で初めて展覧会をやった場所です。いまみたいにストリートギャラリーが少ない時代からあって、その頃は「LABLINE.TV」という名前のギャラリーでした。まだ何者でもない自分が飛び込みでやらしてくれとお願いしに行ったら、展示させてもらえたんです。当時ナイジェルグラフなんて誰も知らないし、誰も見に来なかったけど、それでもやらせてもらえた思い出の場所。2階にはヘアサロンの「駿河台 矢口」があるので、タイミングがあえば矢口さん含め軒先で世間話をしています。このギャラリーの外でゆったりしていると、自分の展覧会で暇だったけど幸せだった、あの時のことを思い出します。
