ランナーのオアシス。エイドステーションという存在。
トレイルランニングのレースにおいて、ランナーの心の拠り所になるのが、コース上に設置されたエイドステーションの存在です。


「FTR 秩父&奥武蔵」の100キロの部には、計9ヶ所のエイドステーションが設けられ、ランナーはそこで水分や食料を補給したり、身体を休めたりできます。



エイドステーションには各種ドリンクのほか、おにぎり、いなり寿司、味噌汁、スープ、フルーツ、スイーツなど、バラエティ豊かな食べものが。どれもランナーにとって、トレイルを走り続けるための大切なエネルギー源です。

エイドステーションには奥宮さんの姿も。主催者自らランナーを迎え、みんなを鼓舞します。

5つめのエイドステーションで補給しつつ休憩する山本。ここは約49キロ地点、コース全体のほぼ中間です。時刻は16時半。スタートから10時間以上が経過しています。
「序盤はわりと余裕をもって進めていたけれど、段々キツくなってきました。4つめのエイドステーション以降、急な上りと激しい下りの連続。このコースが本性を現してきた感じかも」とは山本の弁。前へ進んでいるのに手元の時計の距離表示がなかなか進まず、フィジカルもメンタルも痛めつけられている、と。

秋の日はつるべ落とし。このあたりからたちまち日が暮れていきます。

山本から遅れること約1時間、柴山が約49キロ地点の5つめのエイドステーションに到着しました。時刻は17時20分。周囲はすでに真っ暗です。

このレースの100キロの部にはドロップバッグのシステムがあり、スタート前に預けた手荷物を5つめのエイドステーションで受け取ることが可能。これはロングレースに挑むランナーにとって実にありがたいこと。ここで着替えや補給食などザックの中身を入れ替え、心身ともにフレッシュな状態で後半戦にのぞむことができます。

「いやぁ、キツい。まじキツいっす。アップダウンが厳しすぎる。走りながら、このコースを考えた奥宮さんに腹が立ってきました(笑)」と主催者への恨み節を口にする柴山。

補給や着替えを済ませ、5つめのエイドステーションを出発する柴山。ここから先は夜間走に。

行く先々をヘッドランプで照らしながら、闇夜のトレイルを進みます。ヘッドランプは必携品のひとつ。夜間走に欠かせません。