100キロ走り終えたふたりが思ったこと、感じたこと。
「FTR 秩父&奥武蔵」のレース中、山本と柴山はどんなことを考えていたのか? そして100キロを走り終えたとき、なにを思い、なにを感じたのか? 今回のレースをふたりに総括してもらいました。
とにかくエイドのホスピタリティが高い!
「まずはゴールできたことに、ほっとひと安心しています。なによりも高低表以上に細かいアップダウンが多いし、景観も乏しく、目の覚めるような絶景も皆無。修行のような厳しいコースが続くなか、エイドのホスピタリティの高さにめちゃくちゃ救われました。地元の名産品の数々に、豚汁や牛丼、おでん、炭酸ジュースにホットドリンクといった豊富なメニューに加え、ボランティアのスタッフがとにかく元気で優しい。エイドに辿り着くたびに肉体的にもメンタル的にも、たくさんのエネルギーをいただきました。コース的には正直あまり気乗りのしないレースではあったのですが、実際に出てみると主催をしているおっくん(奥宮俊祐)の人柄を随所に感じさせてくれる暖かい雰囲気。秩父&奥武蔵エリアの魅力を多角的に触れられる『FTR秩父&奥武蔵』。ぜひ、来年のレースプランに取り入れてみてはいかがでしょう」(フイナム副編集長 山本博史)
記憶に残る過酷なレース。
「〈アディダス〉の担当の方から、『FTR、出ませんか?』とお誘いいただいたのが今年の5月のこと。どうせ走るなら100キロと決め、まだ半年もあるし練習もできるだろうと思っていたら、あっという間にレース本番。自信のなさからか、前評判で聞いていたキツさからか、11月に入ってからずっとソワソワしていました。でも、会場に着くとそんな不安は払拭。周囲のランナーの熱気に包まれ、もうやるしかない!と完走に向けて気持ちが固まっていました。そして迎えたスタート時間。序盤はなんだか行けそうと思っていたものの、4つめのエイドを超えた先、荒い根っこが延々と続くトレイルで足もメンタルも完全にダウン。5つめのエイドに着く頃には日が暮れていて、この暗闇のなかを進んでいかないといけないのか… と絶望したのを覚えています(笑)。それでも走り続けられたのは、100キロ完走への憧れと、ヘロヘロになりながらも進み続けるランナーたちの姿があったから。夜通しサポート続けてくれるエイドのスタッフにも何度も心を救われました。完走してみて思うのは、年に一回くらいは自分を容赦なく追い込む体験をしてもいいんじゃないかということ。都会にいても、どうせやることは決まっていますし。フィジカルな経験は記憶に色濃く残ります。『FTR秩父&奥武蔵』を通じて、忘れられない思い出がまたひとつ増えました」(フイナム編集 柴山英樹)