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ぼくたちフイ・マムート冒険隊!
「フイ・マムート冒険隊」とは、
渋谷を拠点にヒップな情報を発信する
フイナム編集部とゆかりの深いメンバーとともに、
それぞれの考える冒険を〈マムート〉のサポートをもとに実践、
考察していくための特設サイトです。
馴染みの渋谷界隈から、海や山、はたまた宇宙まで!?
8000メートル峰を舞台に
様々なドラマを繰り広げてきた〈マムート〉の魅力を、
都会をヒップにサヴァイブしてきた
フイナム編集部ならではの視点でご紹介していきます。

MAMMUT for Trail Running
マムートのトレイルランニングシューズの良いとこ・気になるとこ。
忖度なしで徹底レビュー!

1862年にスイスで創業した〈マムート(MAMMUT)〉。ロープメーカーとして出発し、アルプスの厳しい山岳環境で培ってきたものづくりは、いまも世界中の登山者やアスリートを支えています。そんな〈マムート〉が、いよいよトレイルランニングシーンへ本格参入。果たして、その実力やいかに。実際にトレイルで3足の新作シューズを履き比べ、マムート・スポーツグループジャパンの川村啓輔さんを迎えて、フイナム ランニング クラブ♡の面々が率直に語ります。

Photo_Tada
Text_Issey Enomoto
Edit_Hiroshi Yamamoto

[左] 川村啓輔 / マムート・スポーツグループジャパン 営業本部 リテール部
リテールセールストレーナーとして、店舗スタッフへのトレーニングや商品知識の共有を担当。登山やバックカントリーなど、長く山のフィールドに親しむ。

[中] 榎本一生 / ライター
フリーランスのエディター、ライター。「SHOES MASTER」編集長、「Runners Pulse」副編集長、フイナム ランニング クラブ♡部長。ランニング歴14年、トレイルランニング歴10年。

[右] 山本博史 / フイナム シニアエディター
フイナムで主にスポーツやアウトドアの記事を担当。2014年、ライターの榎本とともにフイナム ランニング クラブ♡を設立。Mt.FUJI100やFTR100など、ロングレースの完走経験も豊富。

山岳ブランドとしての背景をおさらい。

山本: 〈マムート〉といえば、スイス発の本格アウトドアブランドという印象が強い。噛み砕いて言うと、どんなブランドなんでしょう?

川村: もともとは農業用ロープの製造から始まったブランドです。そのロープがアルピニストたちに評価され、そこから登山用ロープ、アパレル、ギアへと展開を広げていきました。いまでは頭から足先まで、山に必要なものを総合的に揃えられるブランドになっています。

榎本: 歴史も長いですよね。

川村: 今年で164年になります。現在も山のフィールドで展開しているブランドとしては、世界でもかなり古い存在だと言われています。

山本: 164年ってすごい。

榎本: 日本で言えば江戸末期創業。歴史がハンパない。

山本: ぼくらのランニング歴とは桁が違いますね(笑)。そんな歴史のある〈マムート〉が、なぜいまトレイルランニングシューズを本格的に展開することになったんでしょう?

川村: もともとトレイルランニング向けのアイテムは以前から展開していました。ただ、〈マムート〉における「走る」という考え方は、登山の延長線上にあったんです。ハイキングもできて、走りたいときは走れる。あるいはスカイランニングのように岩稜帯を想定した剛性の高いシューズなど、これまではマルチパーパスなモデルが中心でした。

榎本: いわゆる一般的なトレイルランニングシューズとは、少し違う文脈だったと。

川村: そうですね。今回のラインナップは、そこにより明確に踏み込んだものです。「Fast & Light」というコレクションのなかで、トレイルランニングをしっかり打ち出したのは今年からになります。

山本: 〈マムート〉にとって、ある意味「トレラン元年」のようなタイミングなんですね。

川村: そう言えると思います。

軽快に走るための「エナジー トレイル スピード ロー」。

山本: 今回のトレイルランニングシューズは、3つのモデルをラインナップしているんですよね。

川村: はい。大きく分けて、「エナジー トレイル スピード」「エナジー トレイル エンデュランス」「エナジー トレイル オールマウンテン」の3モデルがあり、それぞれ持ち味が異なります。

左から、「エナジー トレイル スピード ロー」「エナジー トレイル エンデュランス ウルトラ ロー」「エナジー トレイル オールマウンテン ロー」

榎本: 各モデルの特徴を教えてください。

川村: はい。まずは「エナジー トレイル スピード」から。これは非常に軽量なモデルです。UK8.5で約250グラム。3モデルのなかでもっとも軽く、足さばきの良さを重視しています。

エナジー トレイル スピード ロー

榎本: 実際に履いてみても、かなり軽快でした。フィット感が高くて、細身のつくりなので、上りも下りもトントントンとリズムよく足を運べる。第一印象としては、とにかく足さばきがいいシューズだなと。

川村: アッパーはソックスのように足を包み込む構造になっていて、アーチ周辺からサイドにかけてもしっかりサポートを入れています。足との一体感は高いと思います。

山本: ミッドソールにプレートも入っているんですよね?

川村: はい。TPU素材のプレートを搭載しています。前足部がスプリット構造になっているので、親指側に荷重したときにも、しっかりエネルギーリターンが得られる設計です。アウトソールはヴィブラム ライトベース メガグリップ。ラグの深さは3.5ミリです。

榎本: 跳ね返りも気持ちよかった。着地してから次の一歩がすごくスムーズ。ただ、最近のいわゆるフワフワしたバウンス系とは全然違う。少し硬めで、その硬さが気持ちいい。

山本: そこは〈マムート〉らしいところかもしれないですね。

榎本: まさにそう。スポーツブランドやランニングブランドがつくるトレイルシューズというより、山岳ブランドがつくったトレイルシューズという感じがすごくある。硬めだけど突き上げは少ないし、木の根や岩のある場所でも安心して進める。

川村: ミッドソールには新しいフォーム材を採用しています。EVAを超臨界窒素発泡させた素材で、軽量性、反発性、衝撃吸収性を高めています。ただ柔らかくしすぎるのではなく、〈マムート〉としては少し硬めのバランスに調整しています。

山本: なるほど。軽くて、フィット感が高くて、しっかり走れる。ターゲットとしてはどんな人ですか?

川村: 短距離から中距離向けのシューズとして考えています。だいたい50キロ前後までを目安にしていただくといいと思います。軽さや足さばきを求める方におすすめです。

榎本: トレイルランニングを始めたばかりの人というよりは、ある程度慣れてきて、もう少し軽快に走れるシューズが欲しい人に向いていそうですね。

川村: そうですね。ある程度脚力がある人のほうが、このシューズの良さを感じやすいと思います。

山本: ロードをやっていて初めてトレイルに入る人というより、トレイルに慣れてきた人が選ぶと楽しそう。

榎本: まさにこれは、楽しいシューズ。調子に乗るとペースも上がりそうなので、そこだけ要注意(笑)。

長く楽に進むための「エナジー トレイル エンデュランス ウルトラ ロー」。

山本: 続いて、「エナジー トレイル エンデュランス」。

川村: 「エナジー トレイル エンデュランス」は、3モデルのなかでもっともテクノロジーを盛り込んだモデルです。ミッドソールは二層構造で、EVAを超臨界窒素発泡させたフォーム材に加えて、TPUを超臨界窒素発泡させたビーズフォームを採用しています。

エナジー トレイル エンデュランス ウルトラ ロー

榎本: TPUを超臨界窒素発泡させたビーズフォームとは?

川村: EVAよりもエネルギーリターンが高く、踏み込んだ力をしっかり返してくれるのが特徴です。クッション性もありますが、それ以上に反発力と耐久性に優れています。

山本: プレートも「エナジー トレイル スピード」とは違う?

川村: はい。こちらはPEBAX素材のプレートを採用しています。非常に反発力が強く、大きな推進力を生み出せます。アウトソールはヴィブラム メガグリップのトラクションラグ。ラグの深さは4ミリです。

榎本: 履いた感覚も「エナジー トレイル スピード」とは大きく違いました。「エナジー トレイル スピード」は自分の足で走るのが楽しいシューズ。一方で「エナジー トレイル エンデュランス」は、シューズに任せてどんどん進んでいく感じがある。

山本: 転がっていくような感覚ですかね。

榎本: そう。接地面も広くて安定感があるし、クッションも感じやすい。ガシガシとシューズに任せて進むのが楽しい。

川村: ライニングのクッション材も「エナジー トレイル スピード」より厚めにしています。長い距離での快適性や、足への負担軽減を考えた設計です。

山本: 名前の通り、ロング向け、ウルトラ向けということですね。

川村: そうです。長く楽に走ることを意識しています。100キロや100マイルも視野に入るモデルです。

榎本: ロングと言うと、ぼくらはつい100キロ、100マイルを想像しますけど、要するに「エナジー トレイル スピード」は軽快に速く走るシューズで、「エナジー トレイル エンデュランス」は楽に長く走るシューズ、ということですよね。

川村: まさにその通りです。

山本: ドロップも違いますよね?

川村: 「エナジー トレイル スピード」が6ミリ、「エナジー トレイル エンデュランス」が8ミリです。自分でコントロールして走るか、シューズにサポートしてもらいながら走るか。その違いはドロップにも表れていると思います。

榎本: 価格も一番高いモデルですよね。

川村: はい。テクノロジーをもっとも盛り込んでいるモデルなので、3足のなかではもっとも高価格帯になります。

山本: よりシューズに頼りたい人、ロングで安心して走りたい人には、かなり良さそうですね。

最初の一足にも向く「エナジー トレイル オールマウンテン ロー」。

山本: 最後に、「エナジー トレイル オールマウンテン」について教えてください。

川村: 「エナジー トレイル オールマウンテン」は、3モデルのなかでもっともオーソドックスなモデルです。ミッドソールには超臨界窒素発泡させたEVAを採用していますが、プレートは入っていません。そのぶん、ナチュラルな履き心地です。

エナジー トレイル オールマウンテン ロー

榎本: 実際に履いてみても、クセがなくて扱いやすい印象でした。

山本: 人を選ばない感じがありますよね。

川村: ロードからトレイルに入ってくる方にも履いていただきやすいと思いますし、最初の一足としてもおすすめしやすいモデルです。

榎本: ニュートラルで履きやすい。でも、〈マムート〉が山で培ってきた耐久性や保護性能はしっかりある。

川村: はい。アッパーには通気性と耐摩耗性に優れた軽量ポリエステルニットを使っていますし、全方位のTPU補強によって、岩やがれきへの保護性能も高めています。

榎本: アウトソールは?

川村: オリジナルラバーを使用していて、ラグの深さは4ミリです。さまざまな路面コンディションに対応する、バランスの取れたグリップ性能と耐久性を持っています。

山本: 価格も3足のなかではもっとも手に取りやすい。

川村: 税込26,400円です。

榎本: いまのトレイルランニングシューズの相場を考えると、ボリュームゾーンより少し上くらい。でも内容を考えると、十分納得できる範囲。

山本: 初級者から上級者まで、スピード派からロング派まで、3モデルで幅広くカバーしている印象です。

川村: まさにそこを狙っています。

山岳ブランドがつくるトレランシューズの実力。

山本: 今日3足を履いてみて、あらためてどうでした?

榎本: 〈マムート〉がいよいよ本格的にトレイルランニングシューズをつくり始めたんだな、と。もともとものづくりがしっかりしたブランドなので、「エナジー トレイル スピード」は薄底寄りだけど個性があるし、「エナジー トレイル エンデュランス」は気持ちよく進める。「エナジー トレイル オールマウンテン」はニュートラルで、入り口としてすごくいい。

山本: スポーツブランドのトレイルランニングシューズとは、やっぱり成り立ちが違いますよね。

榎本: スポーツブランドがつくるトレイルシューズとは違って、もともと本格的な登山靴をつくってきたブランドがつくったトレイルランニングシューズ。そこにちゃんと山岳のDNAが残っているのが面白い。

川村: シューズづくりのベースには、かつて〈マムート〉が展開していたフットウェアブランドの技術や知見もあります。100年以上続く山のシューズづくりのなかから、今回のようなトレイルランニングシューズにつなげています。

山本: フィールドとしてはヨーロッパアルプスがベースにあるわけですよね。日本の里山や低山とは全然違う環境ですけど。

榎本: でも「エナジー トレイル スピード」は、日本の身近なトレイルにも相性がいい気がした。軽快に上れて、下りも安心感がある。

山本: 3足のなかで、榎本さんはどれが好みでした?

榎本: 近場のトレイルに遊びに行くなら「エナジー トレイル スピード」。レースや長い距離なら「エナジー トレイル エンデュランス」。普段履きやハイキング、旅行まで含めるなら「エナジー トレイル オールマウンテン」も使いやすそう。

山本: ぼくも近いですね。あと、見た目が3モデルともかなり似ているのは、ちょっと気になりました(笑)。

川村: そこはブランドとしての統一感を出す狙いもあります。シューズ全体で〈マムート〉らしいデザイン言語をつくっていく試みです。

榎本: 見た目は似ているのに、履き心地は全部違う。そのギャップは面白い。実際に履き比べると、違いがはっきり分かる。

山本: つまり、写真だけで判断すると見誤る可能性あり、と。

榎本: まさに。見た目三兄弟、中身は別人格(笑)。

シューズだけじゃない。ザックも秀逸。

山本: ちなみに、シューズだけでなくザックも良かったですよね。

榎本: 12リッターのベスト、完成度が高かった。容量のわりに大きく見えないし、収納の配置もよく考えられている。

川村: メイン収納は背面側にあり、外側にはメッシュポケットを配置しています。出し入れの多いものを入れやすく、スマートフォンが入る大型ファスナーポケットなども備えています。

山本: 12リッターくらいのザックって、荷物が少ないと揺れやすいものも多いんですが、これは荷物が少なくても成立しそうでした。

川村: 試着いただいたランナーの方からも、ショートからロングまでこれひとつでいけそうだという声をいただいています。距離ごとにザックを変えると収納場所も覚え直す必要がありますが、ひとつで済むと楽ですよね。

榎本: 重量も軽いですよね?

川村: 約230グラムです。

山本: それは軽いですね。シューズもザックも、ギア好きにはかなり刺さりそうです。

〈マムート〉のトレイルランニングはここから。

山本: 最後に、今後の展開について伺えますか?

川村: このシリーズは継続していきますし、アイテム数も増えていく予定です。今後はトレイルランニングカテゴリーとして、さらに幅を広げていく方向です。

榎本: ただプロダクトを出すだけでなく、レースやイベントなど、カルチャーも含めて取り組んでいく?

川村: そうですね。物をつくって売るだけではなく、アクティビティの裾野を広げていくことも大切だと考えています。トレイルランニングイベントにも積極的に参加していきたいです。

山本: 〈マムート〉は、日本の伝統的なレース「ハセツネ」にも関わっていますよね。あのレースは日本のトレイルランニングの歴史のなかでも重要な存在なので、〈マムート〉が盛り上げてくれると面白いと思います。

榎本: ハセツネって、トレイルランニングというより山岳競技に近いところもある。そういう意味では、〈マムート〉との相性はかなりいい気がします。

川村: ありがとうございます。そうした日本のフィールドやレースにも、しっかり関わっていければと思っています。

山本: いよいよ〈マムート〉のトレイルランニングが本格的に始まった感じですね。

榎本: うん。山岳ブランドならではのシューズづくりがちゃんと感じられるし、これからが楽しみだね。

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