【The Shirt Style By Brooks Brothers】ブルックス ブラザーズとシャツとわたし。Vol.6西口修平 ビームスF ディレクター

Supima Cotton Oxford Polo Button Dress Shirt Milano Fit ¥19,000＋TAX

ヨーロッパのクラシックスタイルをベースに、常に現代的な解釈とミックス感覚を取り込むことによって新たなスタンダードを提案している〈ビームスF〉で、現在ディレクター兼バイヤーを務める西口修平さん。氏にとって〈ブルックス ブラザーズ〉というブランドは、スタイルを構築する上で良いクッションになるものだと言います。

「自分はヨーロッパものの服を着ることが多いんですが、〈ブルックス ブラザーズ〉は良いクッション役になってくれるから重宝するんですよね。コテコテにヨーロッパに寄せ過ぎないというか、服のテイストを中和してくれるような存在になってくるんです。たとえば〈ブルックス ブラザーズ〉のボタンダウンシャツはアメリカを代表するものだし、見る人が見れば〈ブルックス ブラザーズ〉だとすぐに分かる良さがある。そういうアイテムを、イタリア製のオーダースーツに合わせるっていうのが、自分にとっては凄く贅沢なんです。そこに同じくイタリアの同じテイストのシャツを着ても、面白いとは思えなくて。違うものを組み合わせる、服のミックス感みたいなものを楽しみたいんです」

ブルーストライプのボタンダウンシャツに紺ブレ、グレーのトラウザーズを合わせた正統派スタイル。計算しつくしたサイジングは見事の一言。

ヨーロッパのクラシックスタイルの服と、アメリカントラディショナルを体現する〈ブルックス ブラザーズ〉。どちらにもそれぞれの良さがあり、それを自由に掛け合わせることが出来るのは、間違いなく服の面白さの一つです。

「クラシック畑の人間にとって絶対に外せないのって、ボタンダウンのシャツなんです。自分がはじめて〈ブルックス ブラザーズ〉の服を手にとったのは高校生の頃。古着屋でアメリカ製の〈ブルックス ブラザーズ〉のボタンダウンのシャツを探して、自分のサイズを見つけたら買い漁るっていうことをずっとやってましたね。白のボタンダウンは黄ばんでいたり、襟にダメージがあったりと、状態があまり良くないものが多かったので意外と少なかったんですけど、白、ブルー、あとはシーズン毎にリリースされている色んな柄のなかから面白い柄を見つけては買っていました。〈ブルックス ブラザーズ〉のボタンダウンシャツを知らずして、クラシックを知るべからずみたいなところがあるので」

ボタンダウンカラーにカラーピンを留めた印象的な襟元。

「〈ブルックス ブラザーズ〉の強みは、誰でも知ってるってことだと思います。本当に誰でも知っているということの強みは、何事にも代え難いものだと思います。それはクオリティーの高いものを常に作り続けてきたからだと思うんですね。企業理念とかを変えずに、しっかりと守り続けてきたからこそだと思います」

原宿の「ビームスF」の店内をまわる西口さん。

「いま「ビームスF」では〈ブルックス ブラザーズ〉を取り扱わせて頂いていて、ピンホールカラーのシャツをつくったり、ラウンドカラーとか、欲しい柄をリクエストさせて貰ったりと、別注企画もやらせてもらっています。スタンダードなものはそのままに、ひとつのラインとして新しい形のものをつくった方がブランドにとって良いとぼくは思っているので、それを〈ブルックス ブラザーズ〉の方にも伝えさせて頂いているんですが、ここに来てようやく〈ブルックス ブラザーズ〉は変革して来ているなと感じるようになりました。クラシックなブランドなので、いまの時代感を敏感にキャッチ出来ているとは正直言い難いですが、そこに対してアジャストして来てるのは確かです。歴史のあるブランドですが、今後の期待値が高いブランド。自分みたいな者がそういうことを言い続けるのは大事なのかなと。期待してるからこそ言わせてくださいっていう気持ちが、実はあるんです」

Photo_Shin Hamada
Text_Maruro Yamashita
Edit_Yosuke Ishii